2019年4月、兵庫県神戸市で神戸山口組系の組長が襲撃された事件で大阪高裁が、裁判員裁判の対象とするとした神戸地裁の決定を覆し裁判員裁判から除外する決定を出したことが分かりました。
この事件は2019年4月に神戸市の路上で神戸山口組系の組長が襲撃されたもので、山口組系の組員らが殺人未遂などの罪で起訴されています。
神戸地検は2020年2月、「組織性が疑われる事件で、関係者が裁判員に危害を加える可能性がある」として2つの組の4つの抗争事件について裁判員裁判の対象から外すよう一括で請求。
このうち、2019年4月の事件について神戸地裁は9月、除外請求を却下し神戸地検が即時抗告していました。
大阪高裁は27日付で神戸地裁の決定を覆し、裁判員裁判の対象から外す決定を出したということです。
決定理由として「構成員及びその周辺者の数は極めて多数に及ぶものと考えられる。 個々の者らが裁判や対立抗争をどのように捉えて行動するかは容易に予想しがたい」と指摘しています。
神戸山口組と山口組は各地の公安委員会が特定抗争指定暴力団に指定していて、裁判員に危害が加えられる可能性を巡り、地裁と高裁が異なる判断を示しました。