2020年09月15日(火曜日) 13:15 地域・まち

「ふたごじてんしゃ」で育児支援
 2度とコケない自転車を

「自転車があって…ここに椅子があって…」

中原美智子さん49歳。
今までに無い、日本初となる自転車を作った株式会社ふたごじてんしゃの代表取締役です。 

中原代表:これが私の「ふたごじてんしゃ」です。

 大きく見えますね。

でも長く見えるけど普通自転車の長さで収まっていて、道路で青い自転車が書いてあるマーク、そこは走れる。
サドル後方には幼児用座席が2つ付いており、後ろのタイヤは2輪になっている。
日本初!うしろに幼児を2人乗せられる三輪自転車です。

中原代表:一般的な前後に乗せられる幼児2人同乗用自転車は前席の規格が4歳未満で体重制限15kg、後席の規格は6歳の未就学児で体重制限22kg。
双子のように同じ体格・同じように成長する子どもが2人乗せられる自転車はこれまでなかった。

同じ年齢の子供2人乗せられるのは大きなメリット。
この自転車が、子育て支援に可能性を示したと評価され、兵庫県では初となる「自転車活用推進功績者」として国土交通大臣から表彰されたのです。

中原さん自身も39歳の時、第2子・第3子で双子を出産。
一般的な前後に2人乗せる自転車に双子を乗せ、出掛けたところ、転倒してしまったと言います。

中原代表:子供はすごく泣くしけがをさせてはいけないと思い、自分が自転車の下敷きになり支えたら血だらけになる。
スイーと自転車で出掛けたいという、それだけの希望なのに、なんでこんなに怖い思いをしてこんな移動しかできないのだろうと思うと耐えられなくなって。

もう二度とこけない自転車に私は乗るねん!てその時に決めた揺るぎない決心を胸に、さまざまな自転車店と交渉。

何度も断られましたが、自転車部品製造大手のOGK(オージーケー)技研と協力し、3年かけて完成させたのです。

 どうでしたか初めて乗ったときは?

中原代表:もう最高! これやってん私が欲しかったのはと思って、うれしかった。2人が後ろにいて2人がずっと喋っていて、2人で喋れるんだってすごくうれしかったです。

最高の自転車を手に入れた、中原さん。
他の困っている人たちにも、ふたごじてんしゃを販売することに。

そこで行っているのが、アセスメント販売です。
アセスメント販売とは、良い点、悪い点、購入者にすべてを納得してもらった上で販売するやり方。

まずは自転車の特徴や注意点をまとめた動画を確認しなければなりません。
そしてヒアリング。
使用環境や交通ルールなどの確認を行います。それらが完了したら、アセスメント修了証を発行。

販売店舗に修了証を持って行き はじめて購入できるのです。

こちらは販売店舗のひとつ、「サイクルベースあさひ 山幹(やまかん)西宮キッズ館」。
ここ1年ほど、積極的に試乗車を導入して販売していると言います。

サイクルベースあさひ 山幹西宮キッズ館 藤原裕樹店長:
「こういった自転車あるんだ」という声を非常にいただいて、興味を持たれてる方はすごく多いです。
通常の自転車で使っていない部品は多く使われているが、日常点検に必要な部分は大きく通常の自転車とは変わりません]

双子の 伊藤啓太君と、紗希ちゃん、4歳。
ふたごじてんしゃ歴2年とあって、乗るのも へっちゃらです。

 乗り心地は良いですか?

啓太くん:「うん」
紗希ちゃん:「楽しい!」
伊藤南海さん:「ずっと双子のベビーカーで移動していたが、そろそろ自転車移動したいと思って。でも前後の場合、前席に体重制限があり、どうしようかと思ったとき、検索したら双子自転車っていうのが出てきた」

「ベビーカーだったら降りて歩きたいと言って全然進まなかったが、ふたご自転車だったら喜んで乗ってくれて移動が楽になりました」

自分の双子のために、自転車を開発し国からも認められた 中原さん。
すでに次の目標を見据えています。

中原代表:「発達障害などで公共交通機関に乗れないお子さんもいる。
そのようなお子さんを無理に今の2輪自転車に乗せて、ママが一人で頑張っている状況を改善できるような自転車のデザインを作りたいと思っています」

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