2020年08月26日(水曜日) 18:36 地域・まち文化・スポーツ

【特集】身振り手振りで魔法を~世界的なマイム俳優 

兵庫県を拠点に活動するマイム俳優を情報キャッチャーの小松田さんが取材しました。

宙に浮いたカバン。
魔法のような動きで見る者を魅了するのは、
マイム俳優のいいむろなおきさんです。

沈黙の黙に劇って書くお芝居なんですけどセリフを使う必要がないお芝居。(いいむろさん)

マイムとは、まさに「黙劇」。
セリフを一切使わず、身振り手振りだけで表現する演劇を言います。

よく知られているパントマイムは、マイムの中で見せるパフォーマンスの一部です。

小学校4年生ぐらいの時からパントマイムが好きで壁とかロボットの動きとかいろいろやってた。

きっかけとしてはなんかテレビで見たようなそういうのだったと思うそこからこの世界楽しいなって思って。徐々に演劇の世界であるとかダンスに触れることになって。(いいむろさん)

いいむろさんは、20年前、マイム俳優を育てる「いいむろなおきマイムカンパニー」を設立。
小学生からシニアまで、幅広いメンバーが日々稽古に励んでいます。

僕が高校時代に飯室さんの講演を見て言葉を使えないのではなく使う必要がないというところに衝撃を受けて(男性メンバー)

全然思ってるようにならなくてやっぱり、いいむろさんすごいなと(女性メンバー)

いいむろさんは、県立宝塚北高校演劇科を卒業後、フランスへ。
「パントマイムの神様」と呼ばれているマルセル•マルソーのもとで学びます。

現地の音楽院を首席で卒業すると、マイム技術を競う世界大会で金メダルを獲得しました。

僕としてはパントマイムって壁とか綱引きとか見えないものを見せるテクニックがすべてだと思っていたが、体がどういう風な形をつくったらどんな表情になるのかとかいろんなもの習って。

僕が思っていたマイムよりもっともっと大きな世界なんだなと。(いいむろさん)

フランスで培った世界レベルの技術。
まずは、よく知られている「壁」を見せてもらいました。

なめらかな身のこなし。このパフォーマンスは基礎中の基礎ということで、私もチャレンジすることに。

(マイムにチャレンジ)

前に押し出すように、手の力を抜いたところからピタッと。ピタッと触って落ち着いて。

手のひらをしっかり力入れておいて。

何度か触った後に上を向いてだんだん離れていく。いい演技じゃないですか!

自然に見せるために大切なのは、力の入れ方。

壁ちょっと触った手を見せてもらっていいですか?

よく見ると力入りすぎて折れ曲がってるんですよ。

あっ、ほんとだ(小松田)

本当に大事なのはここがフラットに見えること。

ピタ。その時に緊張して中指とかくっついてる少しだけ隙間開けたほうが。そうそうそう。(いいむろさん)

柔らかい動きを最後にピタッと止めることで、壁の固さを表現します。
さらに目線を使えば、大きさを表すこともできます。

例えばこのぐらいだったらそんな大きくないけどこのぐらいでもう少しい大きいこうやるとすごく大きく見えたりとかするんですよね。(いいむろさん)

結構オーバーリアクションは得意な方なんですが(小松田)

ただオーバーリアクションじゃなくて気持ちが入ってたりとか普段自然にやっていることを上手く再現する。(いいむろさん)

人の心理に沿った動きを。
続いては応用編、カバンを使ったパフォーマンスです。

高さって結構大事。骨盤の高さでやるとうまく止められる(いいむろさん)

手足の曲げ伸ばしや動きの緩急だけで無いもの見せるのは至難の業。体力が必要で、稽古場では、毎回筋トレやストレッチに1時間以上費やしています。日々の努力をいとわないいいむろさん。原動力になっているのは、見る人たちの笑顔です。劇の中では、「笑い」を忘れません。

【レッスン動画】ゴリラゴリラ、演歌歌手からの…こっちいってあっちいって…寝るな。すみません。

ことしは、新型コロナの影響で出演予定だったイベントが次々と中止に。
稽古すらできない状況でしたが、こんなときこそ笑いを届けたいと、オンラインレッスンなどに力を入れてきました。

あんまりしゃべらずにやるんで飛沫も飛ばないんで、わりと今の時代にあってたりするんじゃないかなと。
言葉を使う必要がないんでいろんな国でできるし、いろんな世代の人が見て、それで楽しんで貰えるっていう所があるんですよね。
マイムの楽しさっていうのを伝えていけたらなと。(いいむろさん)

確かな技術と、笑い。
関西生まれ、フランス育ちのマイム俳優は、
これからも見る人の心に魔法をかけ続けます。

-2020年8月26日「情報スタジアム4時!キャッチ」より

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