兵庫県内唯一となった丹波市の養蚕農家で繭の出荷作業が行われました。
丹波市春日町の柿原啓志さんは県内で唯一となった蚕を育てる養蚕農家です。
江戸時代から昭和にかけて兵庫県は東の群馬・西の但馬と呼ばれるほど養父市を中心に養蚕が盛んで日本の産業を支えてきました。
この地域でも最盛期には60戸ほどの養蚕農家がいましたが、今は60年前に父親から事業を受け継いだ柿原さんのみとなりました。
5月中頃に卵からかえった蚕の幼虫は1カ月で4回の脱皮を繰り返し、10日ほど前に専用の木枠に楕円形の真っ白い繭を作ったそうです。
全盛期には1800キロもの繭を出荷していたものの、2020年は蚕およそ2万3000匹を飼育して45キロの出荷に留まります。 それでも天候に恵まれ例年通りの大きさに育ち、満足の出来だと言います。
収穫した繭はJAを通じて長野県の製糸会社に送られるということです。