2020年05月19日(火曜日) 14:47 地域・まち

新型コロナで苦境に コミュニティFMのいま

阪急逆瀬川駅すぐにあるエフエム宝塚。開局20周年を迎えたコミュニティラジオ局です。街の話題から防災、宝塚歌劇団まで。地域に密着した幅広い情報を届けています。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、飛沫を防いだり換気いだりして対策。スタジオの人数を減らしたり、1日に複数回分を収録するなどして放送を続けています。しかし…。

(エフエム宝塚 温井甚祐さん)
いっぱい番組とかイベントとか用意してたんです。全部。いますべて中止、ひとつひとつのイベントとかそれの集積で成り立ってる。だから非常に痛いんですよ。

主催するイベントが、国の緊急事態宣言などを受け軒並み中止に。放送を支える広告収入が大幅に減りました。狭いエリアを対象にするコミュニティFMとって、かつてないほど厳しい経営状況だと言います。

(日本コミュニティ放送協会 近畿地区 北村英夫会長)
自分たちの放送エリアの足元で普段から仲良くしてたスポンサーさんがどんどん苦しい状態になってるというのがありまして、このまま1年が過ぎますと少なくとも20%、多くて30%へ混むだろうというところが近畿の状況。
機材の維持をして人件費を払って、いわゆる固定経費ですね。それが給与カットでもしないとできない。これは非常に深刻で脆弱なところだと会社の存亡にかかわる。

苦しい中でも、ラジオには新型コロナウイルスの対策を広く伝える役割がある。近畿地区のコミュニティFM30局で作る協議会は、5月、国に啓発のための費用を支援するよう求めましたが、いまだいい返事はもらえていません。

「この先、放送を続けていけるのか。」スタッフたちに不安がよぎりますが、どうしても続けたい理由がありました。それはリスナーの存在です。ここ数か月でメッセージの数が急増。家での過ごし方や感謝の言葉などがたくさん寄せられています。

そこで、エフエム宝塚が注目したのは、「手に入りにくい、街の細やかな情報」です。

外出自粛が続く中、テイクアウトやデリバリーで楽しめる市内の飲食店を毎日紹介する新コーナー。企画は市などがサイト上で始めたものですが、電波に乗せることでインターネットを使わない人たちにも届くようになりました。

(紹介されたお店)
結構年齢層は高いと思います。いまだにこんなところにお店ができたなんて知らんかったわって言われることが多いので。
どういう機会であれ、うちのこと知ってもらえるというのはありがたいことなのでとても助かります。

(温井さん)
この小さなラジオ局は阪神大震災のとき、情報が全く途絶えたそれの反省でできた放送局なんですね。
歯を食いしばるしか今はないということで、少人数で皆がんばってる。小さな小さなラジオ局です

そこにリスナーがいる限り。街の小さなラジオ局は、きょうも声を届けます。

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