2020年04月13日(月曜日) 15:44 地域・まち

熊本地震からあすで4年 もし今地震が起きたら?

熊本地震(前震:2016年4月14日 本震4月16日)からあすで4年を迎えます。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、もし、今地震が起きたら私たちはどこに逃げればいいのでしょうか?指定避難場所になっている学校や公民館などは、まさに密閉、密集、密接の3密。地震に限らず、これから集中豪雨や台風の時期を迎えます。そこで、もし避難をしなければいけない場合、気をつけるべきことについて医師と防災の専門家に話を聞きました。

兵庫県の感染症対策を担当する兵庫県医師会副会長 足立光平医師は、体育館雑魚寝方式からいかに個別にしっかりと健康管理ができるか、そして、介護が必要な要介護者を他の場所に移すことができるかを課題に挙げました。

【足立光平医師】

 

Q.今の状況で学校の体育館などへの避難は

「以前から言われていたことですが、雑魚寝状態は危険。今までも胃腸炎とかインフルエンザが流行ってきた経過があるので、そこをいかに防いでいくかは避難所管理では1番問われていることです。ダンボールベッドなど、できるだけ仕切りをつくって、少なくとも個別の家庭ごとに仕分けするようなプライベート保護と感染症の保護など、こういう時だからこそ非常に問われていると思います」

足立医師は、食事がとれてライフラインもカバーできるのであれば、在宅避難も選択肢の1つであると指摘します。

Q自宅にいられる場合はいた方がいいのでしょうか

「今はなんでもかんでも避難所ということではなくて、家にいることが可能な人はいてもいいんじゃないかという方向になっています。また、熊本地震で見られたように車の中で分散しておられるのは、家族を守るという点ではいい。一方で、エコノミークラス症候群と言って、足の静脈瘤がふさがる(血栓ができる)病気が起こりますので、そういった点を注意されればある程度可能ではないかと思います。避難を分散して、感染のリスクを分散していく。避難所の中でも隔離室を設けて、隔離してコントロールしていく。あるいは病院に搬送して送るので、今改めて問われているということではない。」

【2016年4月熊本県益城町 車中泊する人たち】

 

足立医師は、余震が何度も起きる熊本地震のように、自宅にとどまることがかえって危険な場合もあるので注意が必要だと指摘していました。確かに、熊本地震では震度7が2回、震度6強が2回、震度6弱が3回と連続して大きな地震が発生した熊本地震のようなケースは家屋の倒壊や土砂災害の危険性があるため、自宅が安全かどうかを見極める必要があります。

【兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科長 室崎益輝教授】

 

また、神戸大学名誉教授で、兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科長 室崎益輝教授は、「在宅避難」と「テント避難」を軸とした避難形態に切り替え、3段階の構えが必要だと訴えます。

室崎教授

「軽症の人は家の中にいてくれというのとよく似ていて、全体を収容する絶対量が足りないので、既存のストックを使わざるをえないということです。」

 

①在宅避難

少し手入れをすれば住めるようにして在宅避難を原則にし、使える住宅は使うこと。自宅避難だと物資・情報が届かないことがあるので、それに対するサポート体制をつくること。

②公共施設、民間施設を避難所に

ホテルなど様々な施設、公共施設を提供してもらい、隔離型の避難所をつくること。

③テント避難

それでも収容しきれない人は屋外テントの避難村をつくって受け入れること。

 

Q.今の状況で学校の体育館などへの避難は

「危ないですね。人数を少なくして巨大な体育館に10人だけだったらいいですよ。だけど、それはできないわけなので。窓を開けて密度を下げるということですね。阪神・淡路大震災の時には、インフルエンザが流行って、すべてがウイルスによるものか分からないが呼吸器系の病気で約300人の方が亡くなりました。避難所が体育館や公民館というのは日本の常識であって世界の常識ではない!」

 

Q.日本ではテントをあまり備えていないのではないでしょうか

「だから今から備えないといけない。熊本地震の時は、アルピニストの野口健さんがテントを提供し、たくさん並びましたよね。だからキャンプ用のテントはそこそこあるのかなと。イタリアでは膨大なテントを備蓄しているのですぐにでも被災者と同じ数のテント村をつくることができます。」

 

Q.自宅が安全かどうかはどのように判断すればいいですか

「応急危険度判定というのがあって今本当に安全かどうか、修理をして住めるかどうかを判断して簡易な修理をすぐにやる。スピーディーに、その日のうちに応急危険度判定を。3日くらいでやらなければならないのに、今ずるずるいい加減にやっているので。建築の専門家が来るのを待っていたら間に合わないので、地域のコミュニティーの中で判断できる診断員を養成しとかなければいけないですね。そんなに難しいことではない。」

 

 足立医師も室崎教授も、自宅が可能であれば在宅避難を選択肢の1つに挙げています。Stay Home(家にいて命を守ろう)というのは、災害でもコロナ対策でも共通している点ではないでしょうか。ただ、家が被害にあうことや、津波・水害・火災・土砂崩れのようにすぐに家を離れて指定避難場所に向かわなければいけないことも想定されます。気をつけなければいけないことは、体育館や公民館など、換気の悪い場所に大勢の人が集まってしまわないようにすることです。3月下旬に神戸・三宮で行った街頭インタビューで、「災害が起きたら、逃げることに必死でコロナのことを忘れてしまいそう」と話した方がいました。もしかしたら大勢の方が無我夢中になり、コロナのことが頭から離れてしまって避難場所に押し掛けるかもしれません。不幸にも災害にあい、もしそのような状況下に置かれたら、行政の対応を待つのではなく、率先して「距離を保とう!」と声を出すこと、そして、高齢者や体が不自由な方を分散させるよう心掛けなければいけないと考えます。

 ちなみに私は新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに家族が避難できるキャンプ用のテントを買いました。

 

サンテレビ社会情報部キャスター 藤岡勇貴(防災士)

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