【特集】FOPと闘う山本育海さん 高校生に広がる難病研究支援

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難病FOPと闘う明石市の男性がいます。
幼いころに発症し自らもまわりの支援を受けながら同じように病気で苦しむ人たちを助けたいと活動を続ける日々に密着しました。

「難病で苦しむ患者をなくしたい」と活動を続ける男性。自身も難病と闘っています。
その姿を見て高校生たちが立ち上がり、支援の輪が広がっています。

明石市に住む山本育海さん(21)。8歳の時に筋肉が骨に変わる難病FOPと診断されました。FOPには治療法がなく進行が進むと寝たきりになるなど体を自由に動かすことができません。

体に負担がかかると病気が進行するため、大好きな野球もできなくなるなどそれまでの生活が一変。我慢を強いられることになりました。

今では歩くのにも杖が必要で、背中を曲げることも十分に口を開けることもできなくなりました。

育海さんは2010年、京都大学iPS細胞研究所に皮膚細胞を提供しました。
皮膚を採取することで進行が進むおそれもありましたが、どうしても治療法を見つけてほしいという思いからです。

iPS細胞研究所では、現在もFOPを含めたさまざまな難病の研究が進められていますが多額の資金が必要です。
育海さんは病気が進行するリスクを負いながらも支援するため、募金活動を開始。

明石商業高校3年だった2015年には同級生らの協力を得て「193募金」が誕生し、
明石市内の複数の高校で誕生日の12月14日に合わせて募金活動が行われました。
募金は、FOPだけではなくすべての難病の研究に役立ててほしいと研究所に寄付しました。

卒業後も、後輩たちが思いを引き継ぎ「193募金」は継続。今では、県内だけでなく大阪の高校にも活動が広がっています。

去年、募金活動に参加した西宮市の仁川学院高校。先月、育海さんを招き講演会が開かれました。
進行する病気と闘いながらも活動を続ける育海さん。その姿を見て心を動かされた高校生がいます。

生徒会長の原毅さん。育海さんの思いに共感し募金活動に参加することを決意しました。

育海さんは、この日、母親の智子さんとともに東京へ向かっていました。
国にiPS細胞研究所への支援継続を求める要望書を提出するためです。

FOPの創薬だけではなくて、再生医療の面でも役立つ。
文部科学省や厚生労働省などをまわり、体力の続く限り、訴え続けました。

一方、西宮では、原さんたち仁川学院高校の生徒たちも育海さんを支援しようと街頭に立っていました。

193募金は今月13日にも多くの学校で実施され、集まったお金は全額 京都大学iPS細胞研究所に届けられます。
あらゆる難病をなくしたいという育海さんの思いから始まったこの活動。
高校生たちが受け継ぎ支援の輪は広がっています。

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