もし、最強クラスの台風が悪条件で兵庫に上陸したら?兵庫県が発表した高潮の浸水想定とは?
台風21号から今月4日で1年。暴風だけではなく、阪神地区を中心に高潮が襲い県内の工業地帯や住宅地で浸水被害がありました。
「浸水の可能性があるということを認識いただいて危険に対して常日頃から対応をお願いしたい。」(兵庫県県土整備部 海岸・防災担当 日和則幸さん)
兵庫県は、9月5日、神戸市で想定し得る最大規模の高潮について浸水想定区域図を公開しました。
想定は、室戸台風に匹敵する台風が勢力を衰えずに910ヘクトパスカルで兵庫県に上陸。最も潮位が高いタイミングで堤防が決壊し川も氾濫する最大級の想定です。
神戸市内の住宅地でも3~5mの浸水が予測されています。
藤岡キャスターリポート「 神戸市東灘区深江本町です。こちらは高橋川という川なんで すが、川を遡上することも考えられます。あちらが阪神深江駅ですが、浸水の高さは2.1mと想定されています。 」
阪神深江駅周辺は去年の台風21号で高橋川があふれ、浸水した地域です。浸水深2.1mという想定について住民は-
「 どうしようもないですね。川のそばですもんね。駅のホームに逃げますか、ここだったら」(女性)
「 来たら諦めるしかない。1階の店はね。土嚢とか積んでもしょうが��い。」(男性)
神戸空港島は ほぼ全域が浸水。市役所まで浸水しない予測ですが、JR神戸駅では浸水深1.8mと想定されています。
こちらは、堤防がすべて壊れた場合の想定。一方で、堤防が機能した状態の想定でも大きな変化はありませんでした。
「まずは一時的に避難所に 避難していただいた後に2階以上とか浸水する可能性があれば上層階に垂直避難していただくそういった運用の仕方は今後方向性の整理は必要になってくると思っています。」(神戸市危機管理室 中山 徹 計画担当課長)
神戸市は、現時点で指定避難場所の見直しまで検討していないものの今後の避難指示・勧告のエリアが広がるのではないかということです。
先月、兵庫県は、尼崎、西宮、芦屋でも高潮の浸水想定区域図を発表。その予測では、阪神沿線・JR沿線・阪急沿線よりもさらに北の伊丹の一部まで。
浸水想定区域図について市民は-
「ここまで来ないかなと思っていたんですけどね。近くに猪名川があるので」(女性)
「思っていたよりも範囲が広いんやなと。」(女性)
海抜0メートル地帯が広がる尼崎市。市内の75%の浸水が想定されていてこのうち阪神尼崎駅では浸水深6mと想定されています。
「怖いですよね 」(女性)
「(Qどこに逃げる)そこまで考えれてないかもしれないですね」 (男性)
「これね。うちはまともや。(Q5m以上)間違いない。2階まで来るわ。」(男性)
尼崎市は今年度中のハザードマップの更新を予定しているほか、市内に361カ所ある津波などの一時避難所を増やしていく方針です。
「民間のビル等を提供していただいているので、今後は増やしてきたい。」(尼崎市 災害対策課 馬淵 勉 課長)
芦屋市は、今年度中にハザードマップを配布する予定ですが、西宮市は避難計画を作成した後にハザードマップを公開する予定です。
「それを見た市民さんがじゃあどう したらいいの?ということになりますので、まずは避難をどう考えていくかというところを示せるようになった
段階で発表したいと。」 (西宮市 災害対策課 堀川 貴生 課長)
兵庫県と神戸・芦屋・西宮・尼崎の4市は来月上旬に検討委員会を立ち上げ、避難対策について話し合います。
また、県は、来年3月ごろまでに播磨、但馬、淡路の沿岸についても公表し、全地域がそろった段階で兵庫県のCGハザードマップにも反映させるということです。
詳しくは 「兵庫県 高潮」 と検索すると今公表されている浸水想定区域図を見ることができます。