2019年06月03日(月曜日) 19:03 文化・スポーツ

【特集】待ってろ2020
全盲ランナー絆で目指す東京パラ

東京パラリンピックを目指す、チーム谷口。小林祐梨子さんが取材しました。

「覚えていますか?」(小林さん)

「その声は小林さんですね」(谷口選手)

小林さんが再会したのは、谷口真大選手、28歳。
視覚障害のある「ブラインドランナー」です。

神戸市出身の谷口選手は去年のアジアパラ、陸上男子5000メートルで銅メダルを獲得した、世界でも活躍するトップランナー。

「(銅メダルを振って)メダルを振ったら音が鳴る」(谷口選手)

谷口選手は2歳の時、病気の影響で視力を失いました。陸上と出会ったのは高校時代。先輩の背中を追いかけるうち、競技にのめり込んでいったそうです。

「記録が伸びてうれしくて夢中に。陸上は1人で戦う競技ととらえられがちですが、ブラインドの競技は違う」(谷口選手)

そんな谷口選手を支えているのが伴走者と呼ばれるランナーたちです。京都市内であったこの日の練習には5人の伴走者が参加しました。

中にはこんな人も。
「東京からです。有給を取って」(伴走者 母原さん)

谷口選手をサポートする「チーム谷口」のリーダー、母原利之さん。箱根駅伝を目指して陸上に取り組んだ学生時代とは、また違った思いで走っています。
「走ることで貢献したいという思いがあって」(母原さん)

一方、私生活では…
「ちょうど先週結婚しまして」(谷口さん)
人生のパートナーを得て、大阪で新生活をスタートさせました。

「料理は?」(小林さん)

「作ってくれています」(谷口さん)

「新たな存在が加わりましたね。これはすごい力ですよ」(小林さん)

ランナーと伴走者をつなぐのは「ガイドロープ」と呼ばれる1本のひも。手足の動きや呼吸を合わせることはもちろん、緊密なコミュニケーションがレースの鍵を握ります。

「ロードレースで上り坂だったり状況の変化を伝えるんです」(谷口さん)
「2人で走ると上手くいったら2人で嬉しいし、結果が出ないと悔しいし、同じ思いを共有しながらレースを振り返れるのが魅力ですね」(谷口さん)

ここで、いてもたってもいられなくなった北京オリンピック5000m日本代表の小林さん。

「体験させてください」(小林さん)
「イメージとしては二人三脚の手バージョン」(谷口選手)
「肩の力リラックスしていつも通り腕を振ってもらえたら僕も合わせられるので」(谷口選手)

追い抜くことが得意な小林さんも、ぴったり寄り添って走る伴走は今回が初めて。果たして、素質は?

「すごく走りやすい。違和感なく走れています」(谷口選手)

「東京のパラリンピックを走るのが大きな夢ですね。そしてもう一つ、ちょうど2年後の世界パラ陸上も地元の神戸での開催が決まったので。これは必ず走ってやる!と」

絆を深めながら走り続ける谷口選手とチームメート。その先には同じゴールが見えています。

 

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