2019年05月31日(金曜日) 11:21 地域・まち

もう油断できない!今年の梅雨の傾向は?気象台を取材

まもなくジメジメとした梅雨がやってきます。ただ雨が降りやすい時期というだけではなく、毎年のことですが油断していると命にかかわる危険な事態に陥るかもしれません。気象台で詳しく話を聞いてきました。

未だ記憶に新しい、去年7月の西日本豪雨。活発な梅雨前線と台風7号により長雨が続き、河川の氾濫や洪水・土砂崩れが多くの地域で発生。兵庫県でもおよそ105万人に避難指示や避難勧告が発令されました。

場合によっては、甚大な被害に直結する梅雨。今年の傾向を聞くべく、HAT神戸の神戸地方気象台を訪れました。

観測予報管理官の笠井将伸(かさい・まさのぶ)さん。天気に関する講演も数多くこなす予報のエキスパートです。

Q、去年の集中豪雨について

「ここまで広い範囲で多くの雨が降ったというようなことは私の予報官時代でもなかったことです」

Q、それだけ、昔と今というか、雨の降り方というのは変わってきている?

「集中化していますし、激甚化しているということが言えます」

Q、もう油断できない梅雨。今年の傾向はどうなのでしょうか?

「このペルー沖の海水温が平年よりも高い状況をエルニーニョと呼んでいます。ここが高い分、こちらの方は平年より低い。日本の南の海上の海水温が平年より低いということは、日本に影響をもたらす太平洋高気圧の張り出しが弱いことを示しています。近畿地方では梅雨明けは梅雨前線が北に押し上げられるような形で梅雨明けすることが多いんですけれども、その梅雨前線を北にあげる力がちょっと弱い可能性があるので、エルニーニョが発生しているときの西日本は概ね梅雨明けの時期が遅いという傾向があります」

Q、雨の量は?

「そうですね。雨の量については長期予報では発表していないんですけれども、平均的に考えて梅雨の時間帯が長いということは、雨量も多い傾向があるということは言えます」

Q、最後に、私たちが気を付けなければならないことは?

「昨年の平成30年7月豪雨でもそうだったんですけれども、近年は私たちの経験を超えるような災害が起こっています。で、これまでは大丈夫だったとか、ここは大丈夫だったという経験に頼ることなく、想像力も発揮して、これ以上のことが起こったらどうなるかということを考えて、災害に対する備えをしていただきたいと思います」

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