絶景スポット、温泉、グルメ、一度は乗ってみたい観光列車にお遍路さん…四国の旅は魅力もりだくさん。今回は四国・愛媛の道後地区を中心に選りすぐりのおすすめ旅スポットを紹介します。
■しまなみ海道の玄関口、来島海峡を満喫!
瀬戸内海の多島美を満喫できる「しまなみ海道」。その玄関口となるのが、日本三大急潮の一つに数えられる「来島海峡」です。
■激流を体感! 来島海峡急流観潮船
来島海峡の速さは、鳴門海峡、関門海峡と並び、日本三大急潮の一つに数えられます。
そんな急流を間近で体感できるのが、急流観潮船です。海風に備えて、コートを羽織りライフジャケットを装着して、いざ乗船。
潮と潮がぶつかり、渦をつくったかと思えば、海底からボコボコと泡が浮き上がってくるような激しい潮流。
ダイナミックな潮流に船は翻弄されながらもスリル満点の体験ができます。
(エンジンを止めると船は潮に流されくるくると回転)
迫り来る潮に圧倒され、思わず息を吞みます。
約40分間のクルーズは、まさに自然の驚異を体感できる貴重な体験。
船上から眺める巨大な造船所群も見どころの一つ。
ドックやクレーン、そして建造中の船舶が立ち並び、まさに海事都市今治の心臓部を感じることができます。
■世界唯一 潮の向きで運航水路が変わる「 順中逆西 」
一般に船舶は右側航行ですが、来島海峡を通る大型船舶は潮の流れの向きによって運航できる水路が変わる切替方式。
この方式をとっているのは世界でも唯一、ここ来島海峡だけです。
さらに安全のため、200mを超える巨大船は潮どまり前後のゆるやかな時間に通航することが義務付けられています。
また、真下から見上げる来島海峡大橋は圧巻です。
■海と空を繋ぐ、美しい来島海峡大橋
来島海峡と言えば、やはり「来島海峡大橋」の存在は欠かせません。
1999年に5月1日に開通した世界初の三連吊橋として知られるこの橋は、愛媛県今治市と大島を結ぶ全長4176メートル、高さ149.9メートルと、圧倒的なスケールを誇りしまなみ海道の中でも最も長い橋梁として知られています。
以前は、来島海峡を渡るにはフェリーを利用する必要がありましたが、橋の開通により、四国と本州が陸路で結ばれました。
橋を支える役割を果たしているのが、アンカレイジ(碇)と呼ばれる巨大な重りです。
使用されたコンクリートは約15万㎥、日本最大級の規模です。
来島海峡大橋は、自転車や歩行者も利用できる専用の道路が設けられており、瀬戸内海の美しい景色と風を感じながらサイクリングやウォーキングを楽しむことができます。
橋の上からは、瀬戸内海の青い海と島々が織りなす絶景を堪能することができます。
■道の駅で味わう!海の幸 七輪バーベキュー
しまなみ海道の起点、今治市にある道の駅「よしうみいきいき館」。
新鮮な魚介類や地元の食材が揃う人気スポットとして知られています。
テーブルや椅子、七輪、炭、トング、軍手などのバーベキュー用品は全てレンタルできるので、手ぶらで来ることができます。
ここの魅力は、なんといっても瀬戸内海の新鮮な魚介類を好きなだけ味わえること。
サザエ、エビなど、その日の朝に獲れたばかりの食材を、七輪で豪快に焼き上げていただきます。
パチパチと音を立てながら焼き上がる魚介類。食べごろになれば醤油を垂らしていただきます。プリプリの食感と磯の香りが存分に味わえます。
バーベキュー場は海に面していて、目の前は来島海峡大橋を望む絶景スポット。食後は壮大な景色を眺めながらの伯方の塩ソフトクリームをいただきます。
《来島海峡急流体験》
TEL 0898 ‐ 25 ‐ 7338(平日9:00‐17:00 )
《道の駅 よしうみいきいき館》
TEL 0897‐ 84 ‐ 3710 【公式HP】しまなみ
■レトロ豪華な「伊予灘ものがたり」
JR四国が運行する観光列車「伊予灘ものがたり」は今年で運行10周年。
旅行サイト等の観光列車ランキングで堂々の1位を獲得する、四国愛媛を代表する人気の観光列車です。
「レトロモダンな車内で大切な人と過ごす、上質な非日常空間」をコンセプトに2022年に新車両がデビュー。
車内設備やサービス、沿線の観光スポットなど、様々な面で進化を続けています。
伊予灘ものがたりの最大の魅力は沿線の地域の方のおもてなし。
車窓からはたくさんの笑顔に出会えます。
車内で味わったのは松山でパンとお菓子が有名な「Petit Paris」のアフタヌーンティーセット。
砥部焼の二段重にサンドイッチやキッシュ、スイーツなどがぎっしり詰め込まれています。
見た目も鮮やかで、心ときめくものばかり。
伊予灘に沿って美しい海岸線や島々を眺めながら紅茶やコーヒーとどもに優雅なひとときです。
《伊予灘ものがたり》
■道後やや ~和モダンで女性に人気の宿泊施設
道後温泉本館、椿の湯、飛鳥乃温泉から徒歩圏内にの場所に位置する和モダンなホテル「道後やや」
宴会場や大浴場を持たない宿泊特化型のホテルです。
エントランスでは、愛媛の柑橘を味わえる3種類のジュースが注げる魔法の蛇口がお出迎え。
宿泊客に愛媛県産の柑橘を使ったウェルカムドリンクが無料で提供されています。
それぞれ異なる味わいのジュースを飲み比べながら、旅の疲れを癒すことができます。
《道後やや》
■お遍路デビューにおすすめ ~五十一番札所 石手寺
松山市の観光案内所「松山はいく」が主催する「石手寺お遍路体験」に参加しました。
午前9時、道後温泉駅近くの「松山はいく」で遍路装束4点をレンタル(菅笠、金剛杖、袖なし白衣、輪袈裟)
およそ1200年前に弘法大師が開創したと伝わる四国遍路。
八十八ケ所霊場の中でもひときわ名高い古刹が五十一番札所の石手寺です。
国宝・仁王門や弘法大師が修行をしたと伝えられているマントラ洞窟を遍路装束で参拝作法を学びながら巡ります。
マントラ洞窟は、弘法大師空海によって開かれたと伝えられています。
全長約160mの洞窟内には、様々な仏像や曼荼羅が奉納されており、神秘的な雰囲気を醸し出し古くからパワースポットとして知られています。
四国八十八ヶ所霊場を全て巡るのは難しいですが、石手寺で体験することで、お遍路の雰囲気を味わうことができます。
《松山はいく》
TEL 089‐ 945 ‐ 6445(平日10:00‐17:00)
《石手寺》
■日本最古の温泉 道後温泉
道後温泉本館は、愛媛県松山市にある日本最古の温泉旅館です。国の重要文化財にも指定されています。
その歴史は古く、3000年以上前に遡ると言われています。神武天皇の時代から湯治場として利用されていたと伝えられており、古事記や日本書紀にもその名が登場します。
江戸時代には、松山市主・勝山氏によって旅館が整備され、庶民の間でも温泉地として人気を博しました。明治時代には、夏目漱石や正岡子規なども訪れ、作品の中で道後温泉を称賛しています。
道後温泉本館は、木造3層構造で、屋根、木造の格子が印象的な外観は、明治に建てられた当時の姿をよく残しています。
館内には、神の湯と呼ばれる男女別の大浴場や霊泉と呼ばれる家族風呂などがあります。神の湯は、日本三大名泉の一つに数えられ、滑らかな肌触りと豊富な湯量で知られています。
道後温泉本館は、保存修理工事のため休館していましたが、現在は一部で営業しており、2024年7月11日には全館で営業が再開されます。
道後温泉別館 飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)では、神の湯と同じ源泉かけ流しの温泉を楽しむことができます。
飛鳥乃湯泉にある「特別浴室」は、皇室の方々が道後温泉に来訪された際に利用された浴室「又新殿」を再現したものです。
特別浴室は、一般の入浴客とは別に予約が必要で、特別な体験をすることができます。
■道後温泉の源泉
源泉は開発順に番号を振り分けており、各源泉から汲み上げた温泉は、分湯場という配湯施設に集められ、道後温泉本館や椿の湯、飛鳥乃湯泉をはじめ、周辺のホテル・旅館へ送られます。
道後温泉駅北西にある道後温泉第4分湯場では、複数の源泉がブレンドされ、流れ落ちる様子を見ることができます。
温度の高い温泉と低い温泉を混ぜ合わせることで、加温も加水もせず、調整しています。
《飛鳥乃湯泉》
《道後温泉第4分湯場》
住所:愛媛県松山市道後湯之町7-28
■TAKAMATSU ORNE 新たなランドマーク誕生
TAKAMATSU ORNE(タカマツオルネ)は、JR高松駅の新駅ビル、新たな街の玄関口として、2024年3月にJR高松駅北側に開業。
「点と線/ひととひと、ひとともの、ひととばしょ 様々なものをはこび、つながる新しい駅」をコンセプトに高松の魅力を発信する新たな街の玄関口として、様々な人々が集い、交流できる空間を目指しています。
4階に誕生したアンパンマンの世界感を楽しめる「高松アンパンマン広場」は子どもたちに人気のフリースペース。
高松駅を行き来する列車を眺めることもできます。
歴史・文化・自然・温泉・グルメ・懐かしさと人の温かさを感じることができる四国・愛媛のお出かけスポット。
是非一度訪ねてみてはいかがでしょうか。
■乗車した列車
《JR四国》