■阪神5x-4横浜/2003年6月17日 阪神甲子園球場
虎党に阪神タイガースの名試合を5回シリーズでお届けする番組『虎辞書(とらじしょ)なる!!』。
第3回放送は、18年ぶりにリーグ優勝した2003年、矢野燿大現監督がヒーローとなった試合中継をダイジェストで振り返った。
■開幕から猛ダッシュ
2003年の阪神タイガースは星野監督の2年目。広島から移籍した金本を中心に今岡、赤星、アリアス、桧山、矢野、片岡らが強力打線を組み、開幕から首位を独走した。
この試合は2回に、「レッツゴー、ジョージ」の声援を受けて、アリアスがレフトスタンドへ13号同点ソロ。4回には金本もレフトスタンドに勝ち越し8号ソロを打ち込んだ。
中継の解説を務めた上田利治氏(阪急・オリックス・日本ハムで監督、2017年逝去)は、「クロスゲームで価値あるバッティングをするのが金本の良さです」と讃えた。
■試合を決めた守備
阪神先発はエース井川。この年、20勝を挙げ最多勝とMVPに輝いたが、この日はピリッとせず、5回に4連打と犠飛で2点を失い2ー3と逆転された。
横浜は8回に1点を追加し、
なお二死1塁2塁 でルーキー村田(現巨人コーチ)がレフト前に弾き返したが、レフト金本がキャッチャー矢野に好返球。矢野はランナーをしっかりブロックして5点目を阻止した。この守備が逆転劇につながる。
■ヒーロー矢野「疲れた」
9回、阪神は先頭の4番桧山が歩き、5番片岡もヒットで続いた。
横浜ベンチは9回まで投げた先発三浦(現DeNA二軍監督)を下げデニー(デニー友利)をマウンドに送ったが、デニーは6番アリアスに死球を与え無死満塁に。
このチャンスに7番矢野は右中間を破る長打を放ち、3塁走者、2塁走者に続いて1塁走者アリアスも一気にホームイン。阪神が逆転サヨナラ勝ちした。
解説の上田氏は「こういうふうに勝つんだと(阪神選手が)皆わかっていたような勝ち方ですね」と評した。
お立ち台に上がった矢野は開口一番、「あー、疲れました」。スタンドの大観衆に「皆さんの声援が力になりました」と感謝の言葉を述べた。
—————–阪神は7月に早くもマジック49が点灯。9月15日に優勝を決めた。
矢野はこの年、チーム2位の79打点をマークし勝負強さを発揮した。
【虎辞書なる!!の放送予定】
■5月15日(金)
「JFK再び ジェフ・ウイリアムス」/2004年
■5月22日(金)
「輝くいぶし銀 和田豊」/1994年
放送時間はいずれも夜8時0分〜9時24分
(浮田信明)