■ともに21歳
バレーボールの新しい国内トップリーグ「SVリーグ」がスタートする。
女子は10月12日(土)に開幕し、ヴィクトリーナ姫路は石川県かほく市でPFUブルーキャッツ石川かほくと戦う。
昨シーズン、V2で19戦無敗のメンバーに、ミンニャ・オスマジック(セルビア)とアナ・ルイーザ・フヂゲル(ブラジル)の外国籍選手2名が加わり、ブレス浜松から長身セッター・森木かれんが期限付き移籍した。
外国籍選手はともに21歳と若く、初めて母国を離れてプレーする。
強豪ぞろいのSVリーグを勝ち抜くためのカギとなる2人と、森木に話を聞いた。
(通訳:ヴィクトリーナ姫路 阿部美奈子さん)
■日本で経験積む
<7 ミンニャ・オスマジック>
セルビア出身 / 21歳 / 身長192㎝。
ポジションはミドルブロッカー(MB)。前衛中央でブロックや速攻など多彩な攻撃が求められる。
パリ五輪前に開催されたネーションズリーグ(VNL)にセルビア代表として出場した。
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Q.姫路の印象は–
「すごく綺麗で、食べ物も美味しい。いい人ばかりです。本当にふるさとのような感じがしています」
Q.VNLでは50得点–
「私にトスが上がったら、絶対に決める自信を持っています。ブロックも自信があります。ブロックが決まった時の方が、私は誇りに思います」
Q.VNLで日本戦には出場しなかったが、日本代表の印象は–
「日本は何通りものコンビネーションバレーがあるので、私たちは一杯ビデオを見て分析しなければいけなかった。本当に素晴らしいチームだという印象があります」
Q.今どんな練習を–
「日本の速いバレーに負けないブロックを毎日練習して、身につけてるところです。将来的にも自分に絶対にプラスになると思う。私はヨーロッパでしかやってないので、アジアの、日本のチームに来れたことを自分の経験にしたい」
Q.アヴィタル・セリンジャー監督は練習も試合も<100%>を求める–
「アヴィタル監督の選手であることをとても光栄に思ってます。監督自身がバレーに対して常に100%なので、監督の100%に負けないように私も100%やりたい」
Q.背番号は「7」–
「ナショナルチームでは「3」だったが、空いてなかった。でもラッキーセブンなのでハッピーです(笑)」
■最高のチャンス
<18 アナ・ルイーザ・フヂゲル>
ブラジル出身 / 21歳 / 186㎝
ポジションはアウトサイドヒッター(OH)。攻撃の中心として強いスパイクが求められる。
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Q.なぜ日本へ–
「ブラジルにいる時から、日本のバレーはいいな、すごいなという印象があった。話をもらったので、これは本当に最高のチャンスだと思って来ました」
Q.自身の強みは–
「アタック。パワフルなアタックです。(隣のオスマジックがブロックの格好をする)
ブロックがついても、打ち破るパワーです」
Q.日本での練習は–
(スマホの翻訳アプリで文章を作る)
「ここで毎日勉強してるので、私のバレーボールは大きく進化していると感じます。
テクニックだけでなく、ブロックもディフェンスも全てです」
Q.監督は100%を求める–
「すごくいい監督だと思う。誰にも100%を求めているので、みんながその方向に向かっている。チームとして成長するにはそれが大事だと思います」
Q.目標は–
(再び翻訳アプリで文章を作る)
「ブラジル国外のクラブでプレーする私にとって初めての機会なので、 素晴らしいコーチや素晴らしい選手たち、所属している人たちと一緒に学び、進化する素晴らしい機会です。今シーズンが成功することを願っています」
Q.背番号は「18」–
「ブラジルのチームでも「18」だった。良かったです(笑)」
■長身を武器に
<12 森木かれん>
25歳 / 178㎝ / セッター / 広島県出身 / 沼田高-岐阜協立大-ブレス浜松
長身を生かし、2シーズンでブロック37本を記録。昨シーズンはV2でヴィクトリーナ姫路とも対戦した。
Q.ヴィクトリーナの印象は–
「日本代表が2人いて、長身の選手がいて、(対戦前は)圧倒されないようにとみんなで話していた。(加入してみると)ミスしても、ちゃんと声をかけてくれるスタッフが多く、恵まれた環境でバレーができるのが嬉しい。自分は下のカテゴリーから来ているので、もっと頑張らなきゃっていうのがあります」
Q.セッターとしての強みは–
「トスを遠くに飛ばすのが自分の武器です。それと、高いところから出る速いテンポのトスも武器。あとはブロック。身長がある分、MBとのセットで2枚しっかり抑えて貢献したい」
Q.ブロックは–
「あまり得意ではないが、自分の身長を生かせるので武器としてブロックも極めたい」
Q.監督は元セッター–
「学生時代やブレスではあまりセッター指導を受けていなかった。その点、アヴィさん(監督)は、セッターの組み立て方を、一つひとつ、練習を止めてまで言ってくれるので、日々、学ぶところが多いですね」
Q.チームには2人のセッターが–
「(柴田真果・櫻井美樹の)2人から学ぶことが多い。アドバイスとか、もっとこうした方がいいよって温かく言ってくれる。2人が頑張っているから、私も頑張らなきゃと思える」
■10/19にホーム開幕
SVリーグ女子は14チームで構成。
これまでより試合数が倍増し、来年4月までのレギュラーシーズンで各チーム44試合を戦う。
上位8チームがチャンピオンシップに進出し優勝を争う一方、下位でも降格しない。
ヴィクトリーナ姫路は、日本代表の井上愛里沙・宮部藍梨、タイ代表のチャッチュオン・モクシー(昨シーズンV2のMVP)を中心とする攻撃陣に、オスマジックとフヂゲルが加わり、厚みを増した。
元日本代表セッターの柴田真果が今シーズンからキャプテンとしてチームをまとめる。
ともにチーム最古参の、セッター・櫻井美樹と左腕アタッカー・田中咲希も健在。
守備の要を務めるリベロ・森田茉莉や、昨シーズン、ブレイクした伊藤麻緒らの活躍も楽しみだ。
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ヴィクトリーナ姫路は10月12・13日にアウェイで戦ったあと、19日(土)と20日(日)の2日間、本拠地のヴィクトリーナ・ウインク体育館(姫路市)にSAGA久光スプリングスを迎えて、ホーム開幕戦を行う。両日とも試合開始は12時5分。
(浮田信明)