■「U15」保有が義務
女子バレーボールSVリーグ・ヴィクトリーナ姫路のU15(アンダー15=15歳以下)チームが、SVリーグなどが主催する初の「U15選手権」出場へ向けて、猛練習を行っている。
10月に開幕する「SVリーグ」は、これまでのV1リーグに代わる男女バレーボールの国内トップリーグ。
世界最高峰をめざす一方、未来のバレーボール界を担う選手を育てるため、リーグ参入クラブにはU15チームを持つことが義務付けられた。
ヴィクトリーナ姫路も、以前から中学1~3年生の女子を対象にしたU15チームが活動している。
現在のメンバーは約30人で、毎週日曜日に姫路市内の中学校の体育館で練習している。
U15選手権には、SVリーグ参入クラブ傘下のU15チームなどが参戦。
女子はヴィクトリーナ姫路をはじめ全国28チームが、8月31日・9月1日の両日、三重県津市の「サオリーナ」で予選を戦う。
予選を勝ち上がった男女8チームは、10月に神奈川県相模原市で行われる決勝大会に進む。
■元代表が指導
8月上旬にU15チームの練習を取材した。
胸にヴィクトリーナ姫路のエンブレムが付いたTシャツを着て、選手たちは「アドバンス」と「ステップアップ」のグループに分かれて練習。
より技量が上のアドバンスのコートでは、試合形式を取り入れながら、スパイクやレシーブを繰り返し練習していた。
「もっと声を出して!」「一人でバレーボールをやってるよ!」
筒井視穂子(みほこ)ヘッドコーチの大きな声が体育館に響く。
筒井ヘッドコーチはV1久光を経て、結成されたばかりのヴィクトリーナ姫路に加わり、初代キャプテンを務めた。
2004年には日本代表に選ばれた実績を持つ。
体育館には冷風機や大型の扇風機が設置されているが、それでもかなり暑い。
熱中症を防ぐため、こまめに給水タイムを取って、選手たちを休ませていた。
■負けて学ぶことも
筒井ヘッドコーチに聞いた。
Q.厳しい声が飛ぶ–
「そうですね、楽しいだけじゃダメなので、メリハリをつけて、楽しい中に厳しさがあった方がいい」
Q.声を出せとも–
「そうなんですよ。ラリー中の声がないので…。ボールが動いている最中に声を出さないと、ぶつかってしまったり、次の指示ができない」
「今の子どもたち、恥ずかしがり屋というか、遠慮がちなので自分の殻を抜けてほしい」
Q.練習の重点は–
「身長がみんな低いので、レシーブを強化したい。成長する所はたくさんある」
Q.月末には大会が–
「もちろん子どもたちは勝ちたいと言っているし、その手助けをしてあげたい。自分たちのやりたいことができたらいいと思う。別に負けることが悪いことではなく、負けて学ぶこともある」
Q.U15チームの意義は–
「このU15からヴィクトリーナのプロ選手が出てくれるのが一番いい。小学校(U12)、中学校と、しっかり強化して、一人ひとりが夢に向かっていくのをお手伝いできればいいなと思っています」
■コーチに感謝
選手たちにも話を聞いた。
Q.練習は–
選手A「きついけど、だんだん上手になっていくのがわかる」
選手B「(ヘッドコーチは)厳しいが、子どもたちのことを考えてやってくれているので感謝しています」
選手C「自分たちは、だらけてしまうことがあるので、ちゃんと指導してもらえるのは本当にありがたい」
Q.大会に向けて–
選手A「自分はスタメンではないが、ピンチサーバーとして流れを変えたり、声をたくさん出せたらいい」
選手B「練習で言われたことをしっかり思い出して、いい結果が残せたらいい」
選手C「大会ではみんないいパフォーマンスをして、1つでも多く勝てるようにしたいです」
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ヴィクトリーナ姫路は、U12(小学1~6年生 男女)、U15(中学1~3年生 女子)のアカデミー生を募集している(詳しくはヴィクトリーナ姫路の公式ホームページを参照)。
全国のチームを相手に、ヴィクトリーナ姫路U15がどんな戦いを見せてくれるか!
(浮田信明)