神戸徳洲会病院で、患者が適切な治療を受けられずに相次いで死亡するなどした問題を巡り、被害弁護団が31日、会見を開き、去年1月に起きた医療事故の調査報告書に対する見解を示しました。
神戸徳洲会病院を巡っては、去年、カテーテル治療や検査後に複数の患者が死亡するなど、医療安全体制を巡る問題が相次いで発覚。
遺族や患者を支援するとともに、真相究明のための調査などを行う弁護団が去年8月に結成されています。
弁護団は31日、神戸市内で開いた会見で、去年1月、カテーテル治療の4時間後に70代の男性が死亡した医療事故について、病院側から調査報告書を受け取り、説明を受けたことを明らかにしました。
報告書で、男性の死因は「心筋梗塞の合併症としての心破裂」とされていましたが、弁護団は、心破裂が生じた時期と死亡の経緯が特定されていないなどと指摘。
また、救急搬送されてから死亡にいたるまでの経過観察と、カルテの記載も不十分な点を疑問視しています。
さらに、報告書では普段から医師の威圧的な態度から看護師が恐怖心を感じるなど、コミュニケーション不足も見られ、適切な処置ができていなかったとされていますが、弁護団は、十分な調査がなされたとは思えず、さらに詳細な説明を求めるとしています。
弁護団は今後病院に対して引き続き説明を求めていくとともに、医療事故調査・支援センターの調査の実施も求めていく方針です。