■13チームが熊本に集結
女子バレーボール・ヴィクトリーナ姫路が6月28日開幕の「サマーリーグ西部大会」(熊本市)から本格始動する。
昨シーズンはVリーグ2部(V2)で全勝優勝。
10月から、新しいトップリーグとなる「SVリーグ」で戦う。
サマーリーグ西部大会には、同じくSVリーグに参入するJT、久光など6チームを含む計13チームが参加。
予選リーグとトーナメントで3日間戦い、優勝を争う。
ヴィクトリーナ姫路の主力、日本代表の井上愛里沙・宮部藍梨とタイ代表のチャッチュオン・モクシーはサマーリーグには出場せず、中堅・若手中心で臨む。
■まず「休め」
着任2シーズン目を迎えるアヴィタル・セリンジャー監督に話を聞いた。
オランダ女子代表など多くのチームを率いた“名将”。
昨シーズン、V2に降格したヴィクトリーナ姫路を、「練習も試合も100%の力で取り組め」と指導し、自信をよみがえらせた。
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Q.1カ月のオフシーズン、選手にどんな指示を?
セリンジャー監督:
「しっかり休養を取ることです。休養とは、何もしないことではない。心と頭をリフレッシュさせ、傷んでいる所を休める。また体力を落とさず、しっかり自己管理するよう伝えました」
Q.昨シーズンは「100%」のスローガンが選手を動かした
「その言葉は今シーズンも使います。ただし、(昨シーズンと)同じ100%ではない。レベルアップした100%です。昨年は短期間でガーと伸びた。今シーズンは、トップレベルの選手と経験不足の選手とのギャップを小さくして、全体の底上げを図りたい」
Q.サマーリーグはどう戦う?
「普段の練習から環境を変えて楽しんでほしい。今できることを一生懸命にやる」
■代表組がいなくても
代表組が不在の中、サマーリーグで活躍が期待されるのが、入団4年目のアウトサイドヒッター(OH)渡邉かや。
昨シーズンは先発でも起用され、計89得点を挙げた一方、サーブレシーブでも安定した数字を残した。
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Q.オフに取り組んだことは?
渡邉:
「攻撃の幅やバリエーションをシーズン中も意識してきたが、もっと質を高めるよう練習しています。(スパイクを)打つだけでなく、厳しい状態でトスが上がっても、相手が次にプレーしづらい、相手の嫌な所への返し方を意識しています」
Q.サマーリーグでは
「チームとして優勝するために練習している。代表メンバーがいなくても強いヴィクトリーナ、誰が出ても強いヴィクトリーナを見せていきたい」
Q.自身の役割りは?
「レセプション(サーブレシーブ)がすごく狙われるポジション。レセプションが(セッターに)入れば、有利な戦い方ができるが、逆に返ってないと苦しい展開になる。監督にはレセプションの要として期待されていると思うので、しっかり応えていきたい」
■武器は“重いスパイク”
同期で2年目のOH野津亜珠佳、オポジット(OP=ライト)足立溜奈にも話を聞いた。
野津は兵庫県たつの市出身。
地元で開催された昨シーズンの開幕2連戦(龍野体育館)には起用されたが、その後は出場機会は伸びなかった。
Q.昨シーズンを振り返って
野津:
「プロとしての厳しさを実感したシーズンでした。日本代表、タイ代表の選手がいて、監督も世界を知る方で、練習からレベルの高さを実感した」
Q.サマーリーグでは
「OHの先輩、松本(愛希穂)選手と渡邉選手、とても守備も上手で攻撃力もある。その先輩方を抜くには自分の得意なものを磨かないといけない」
Q.得意なものとは?
「ジャンプ力です。しっかり高さを出して攻撃面で貢献できたらいい」
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足立は兵庫県丹波市出身。
昨シーズンはセッターとの“2枚替え”でセット後半に起用され、局面打開のスパイクをしばしば決めた。
Q.昨シーズンは
足立:
「これまでと違うプレーができて収穫のある1年でした。(一緒に途中出場する)セッター、(櫻井)美樹さんや、(柴田)真果さんに声をかけてもらって、落ち着いてプレーできるよう心がけました」
Q.サマーリーグでは
「スタートで使ってもらえるか、2枚替えか分からないが、持ち味であるスパイクで点数を取って、チームの雰囲気が明るくなればいい」
Q.どんなスパイク?
「けっこう重い…速さより重いスパイクを打てると思っている。重たくしようと打ってるのではないが、練習していて、けっこう重いボールが飛ぶとよく言われていた」
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2人との同期入団にはミドルブロッカー(MB)伊藤麻緒もいる。
伊藤は昨シーズン、リーグ3位のアタック決定率をマークし(1位:宮部、2位:チャッチュオン)、主力選手に成長した。
サマーリーグで同期3人がどんな活躍を見せるかも楽しみだ。
(浮田信明)