震災によるアスベスト被害の実態を調査するプロジェクトで、阪神淡路大震災後のがれき処理などに携わり、呼吸器障害を発症した人たちによる講演会が兵庫県神戸市で開かれました。
この講演会は、阪神淡路大震災から来年で30年となるのを前に、災害とアスベストに関する調査や研究を進めるNPO法人ひょうご労働安全衛生センターなどが開いたもので、神戸大学の学生らが参加しました。
23日は、震災後のがれき処理などでアスベストを吸い、呼吸器障害を発症した人など4人が登壇しました。
このうち、震災前から内装業に携わっていた郡家滝雄さん(74)は、震災後、解体作業などでアスベストを吸引したということです。
およそ20年前に、肺を包む胸膜が線維化し厚くなる病気「びまん性胸膜肥厚」を発症し、現在、呼吸機能は健康な人のおよそ56%しかありません。
アスベストによる症状は吸引してから20年から30年で発症するとされ、阪神淡路大震災から30年を迎える今が最も被害が浮き彫りとなる時期だということです。