兵庫県は、兵庫県森林組合連合会(県森連)に貸し付けたまま、回収が困難となっていた約9億円のうち、6億3000万円を債権放棄する方針を決め、6月の県議会に議案を提出します。
県森連は、2016年からバイオマス発電事業に参入し、県産の木材をチップに加工して供給していましたが、木材価格の高騰で原材料の調達が困難になり、2022年12月に事業から撤退していました。
撤退に伴い、県から借り入れていた運転資金約9億円の返済が困難になり、県森連は、2022年11月、大阪地裁に特定調停を申し立てました。
県は特別調停で示された弁済金額に基づき、県森連から返済されてない9億円の内、約6億3000万円を債権放棄する方針を決めました。
県森連は、返済が必要な残りの2億7000万円余りについて、兵庫県朝来市にある木材チップ工場や、神戸市中央区の県林業会館などを売却して、捻出するとしています。
兵庫県 斎藤元彦知事(5月29日の会見)
「貸し付けというものが結果的に返ってこなくなったということですので、事業をやる時の将来性、妥当性、さらには資金をどのようにしていくのが合理的なのか、貸し付けがいいのか、補助がいいのかなども踏まえながら再発防止をしていく」
県は、この議案を6月4日から始まる定例議会に提出します。