JR福知山線脱線事故の遺族らが、重大な事故を起こした企業への刑事罰を科す「組織罰」の実現を求め、署名活動を行いました。
JR尼崎駅で署名活動を行ったのは、JR福知山線脱線事故の遺族らでつくる「組織罰を実現する会」です。
会の代表を務める大森重美さん。19年前、事故で当時23歳だった長女の早織さんを亡くしました。
大森さんたちが求めるのは、死亡事故を起こした企業や組織に高額な罰金刑を科す「組織罰」の導入です。
107人が死亡、562人が重軽傷を負ったJR福知山線脱線事故。未曽有の惨事に、JR西日本の歴代社長4人が業務上過失致死傷の罪で起訴されましたが、いずれも、無罪が確定しています。
JR西日本の安全管理に問題はなかったのか。事故の責任をどこに求めればよいのか。遺族が直面したのは、法律の壁でした。
日本の刑法は、個人を対象にしたもので、その責任を企業に求めることは出来ません。
それでも、これ以上、悲しむ遺族を増やしたくないと、大森さんたちは組織罰の必要性を訴え、勉強会やシンポジウムを開いてきました。
これまでに、1万2000人分の署名が集まりました。
安全な社会になってほしい。その願いのため、大森さんたちは活動を続けます。
大森さんたちは、集まった署名を秋ごろ、法務省に提出するということです。