加古川市の小中学校3校が統合し、2024年4月新たな小中一貫校が開校しました。この学校の校歌を作ったのは、 音楽デュオ『花*花』の2人です。 子どもたちや地域の思いを背負って校歌を制作した2人。 校歌に込められた思いとは…。
加古川市初の小中一貫校開校
4月8日。 満開の桜の下、加古川市に新しい学校が開校しました。 加古川市内で初めてとなる公立の小中一貫校『両荘みらい学園』です。加古川市の両荘地域にあった平荘小学校と上荘小学校、両荘中学校が統合し、9年制の学校として誕生しました。
この日に開かれた『両荘みらい学園』の開校式典に加古川市にゆかりのある音楽デュオ『花*花』の姿がありました。『花*花』は2000年7月に、『あ~よかった』でメジャーデビューし、『さよなら 大好きな人』などのヒット曲で知られています。2人は、この学校の校歌の制作を担当しました。
【花*花 おのまきこさん】
「ようやく校歌が完成したなという気持ちでおります。」
【花*花 こじまいづみさん】
「校歌が皆さんのこれからの旅立ちの供になればいいなと願っています。本当におめでとうございます。」
2022年10月 閉校する各学校を訪れた花*花
さかのぼること、2022年10月。 『花*花』の2人は忙しい仕事の合間をぬって新しい学校の校区を見て回り、校歌のイメージを膨らませるため閉校が決まっている3つの学校の児童や生徒、先生、保護者らとも交流し、校歌に入れてほしいフレーズを募りました。
【児童】
「未来という言葉にしました。理由は自分の未来が楽しみだと思いました。」
「輝くって言葉がいいと思います。一人一人が輝く学校にしたいからです。」
【花*花 おのまきこさん】
「みんなが校歌を大切に思っていることや、両荘みらい学園への楽しみな気持ちを校歌に沢山の言葉を寄せてくれました。」
【花*花 こじまいづみさん】
「みんなから出た言葉を、全部集めていっちゃんいい校歌を作ろうと思っているので、まだまだ校歌作りで助けてほしいことがいっぱい出てくると思うので、その時はよろしくお願いします。」
それぞれの学校の児童や生徒たちからは、母校の校歌からとったフレーズや新しい学校に対する期待、両荘地域の風景を表す言葉が多く寄せられました。
【花*花 こじまいづみさん】
「自分らで曲を作って歌うんですけど、なかなか歌詞が出てこなくて悩んでいるので。『これから相談しようかな』と思うぐらい、皆さんからいいフレーズをいただいたのでありがたいです。」
【花*花 おのまきこさん】
「全部(フレーズを)入れてあげたいなっていう気持ちですけど、いいところをまとめて。」
両荘地域の住民からも校歌のフレーズを募る
その夜。2人は、学校関係者と地域の住民たちでつくる開校準備委員会の会合にも出席。地域の住民たちも自らが統合する学校の卒業生ということもあり、新しい学校の校歌には熱い思いがこもります。
【住民】
「”加古の流れ”は今の平荘小学校・上荘小学校・両荘中学校の校歌にすべてフレーズが入っているのでそれは残していく方がいいかなって。」
【花*花 おのまきこさん】
「私が通っていた高校の校歌にも実は”加古の流れ”が入っていまして、非常になじみのあるフレーズなので、みなさんの意見は理解しています。」
【花*花 こじまいづみさん】
「子どもたちがなるべくすぐイメージが思い浮かぶ、そしてすぐに思い出せる大人になった時も故郷の景色を思い出せる。子どもたちが聴いて自分の言葉のように歌える歌詞が大事なんじゃないかなというのは感じています。」
開校準備委員会は遅くまで続き、花*花の2人はたくさんの想いを受け取って校歌の制作に取り掛かりました。
校歌制作から1年と約半年が過ぎ
それから、1年と約半年。 両荘みらい学園の開校式で、みんなの想いが一つになった校歌が初めて披露されました。学年全員で歌うのは、この日が初めてです。
両荘みらい学園 校歌
作詞 こじまいづみ 作曲 おのまきこ 編曲 柴田 昌宜
- 見上げる荘厳な空 緑豊かな平野
友と出会い 友と悩み 思いやりの心培う
加古の流れのように 豊かな流れを湛え
みんなを守り 見つめてくれる学舎
手と手を取って 共に進もう
両荘の未来 みらい学園 - 桜咲く春の朝 稲の緑薫る夏
友と笑い 友と競い また一つ逞しくなる
湖に映る紅葉 白い息の帰り道
いつでも愛を 教えてくれる学舎
強く朗らかに 歩いて行こう
両荘の未来 みらい学園 - 今はまだ夢の先 いつか大人になる頃
友を思い 友と泣いた 全てが力になるだろう
加古の流れのように いつか大海原へ
漕ぎ出す時に 思い出すのは学舎
希望の光胸に 羽ばたいていこう
両荘の未来 みらい学園
【生徒】
「小さい時から花*花さんの歌を聞かせてもらっていて、校歌を初めて聞いたときに本当にすごくて。
みんなの声が合わさって、すごくいい校歌で嬉しかったです」
「自分たちが育ってきた地域の魅力もたくさん詰まった歌なので、忘れず覚えていられると思います。」
【花*花 おのまきこさん】
「ようやく完成したなという気持ちでほっとしています。制作している時は、結構大変だなって思ったこともあったんですけど、全部忘れました!
みんなの歌声を聞いたら。元気に楽しく思い出たくさん作ってもらいたいと思います。」
【花*花 こじまいづみさん】
「一緒にフレーズ選んだ集会開いて「ここがいい」「こういう景色が好き」って聞かせてもらったのが全部校歌に入っていると思うので、私らが作ったというよりもみんなで作った歌詞だなと。
卒業していい大人同士になったときに『あの校歌残っています』ってもし言ってもらえたらうれしいなって。
そこが本当のゴールかなと思っています。」
花*花の2人と、両荘地域全ての想いが詰まった「両荘みらい学園」の校歌。
地域に愛され、これからも歌い続けられます。