東京電力福島第1原発事故で、福島県などから兵庫県に避難してきた住人たちが国と東京電力に損害賠償を求めた裁判で、神戸地裁は3月21日、東電のみに賠償を命じ、国への請求は退ける判決を言い渡しました。
訴えを起こしていたのは、2011年の東京電力福島第1原発事故で福島県と宮城県から兵庫県に避難してきた住人30世帯78人です。 原告側は原発事故の放射性物質による汚染への精神的な不安や、避難に伴う経済的な損失として、1世帯あたり1500万円を目安に、国と東電に合わせて6億9100万円の支払いを求めていました。
同様の訴訟は全国でおよそ30起こっていて、おととし、最高裁は国の責任を否定する判決を示していました。 提訴から10年6カ月が経過し、3月21日に迎えた判決で、神戸地裁の龍見昇裁判長は、最高裁の判決と同様、国の責任を否定し、原告側の国への請求を退けた上で、一部の原告に対して東電の責任を認める判決を言い渡しました。 弁護団は、原告と相談した上で控訴する意向を示しています。