2021年、兵庫県稲美町の自宅を放火し、同居していた妹夫婦の子ども2人を殺害したとして殺人などの罪に問われた男の裁判員裁判で、神戸地裁姫路支部は15日、懲役30年の判決を言い渡しました。

無職の男（53）は、2021年11月、稲美町の自宅を放火し、同居していた妹夫婦の子どもで、当時小学6年生の松尾侑城君（12）と1年生の眞輝君（7）を殺害したとして殺人と現住建造物等放火の罪に問われていました。

これまでの裁判で松尾被告は起訴内容を認めていて、検察側は、「反省が皆無であり更生することは困難」などとして死刑を求刑。弁護側は「事件の重大さを認識し更生の可能性があるので死刑は相当ではない」と主張していました。

15日、神戸地裁姫路支部で開かれた裁判員裁判の判決で佐藤洋幸裁判長は、「妹夫婦への恨みを晴らすためだけに2人の子どもの命を奪ったことが悪質なのは言うまでもない」とした上で「犯行は親族間のトラブルに起因していて、理不尽で身勝手とまでは言えない」などとして、松尾被告に懲役30年を言い渡しました。

判決の後、遺族が会見を開き、2人の息子の父親は「納得のいかない判決だった」として検察側に控訴してもらいたいと述べました。