【スケート】世界大会出場の松林佑倭さん(西宮)、本職はパティシエ

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  • 松林佑倭さん/アンリ・シャルパンティエ(西宮市)

  • 全日本距離別選手権に出場した松林さん/10月

■「銅」2個の快挙

男子スピードスケート・ショートトラックの松林佑倭(まつばやし・ゆい)選手が、10月のワールドカップ(W杯)第1戦(カナダ・モントリオール)と、11月の四大陸選手権(カナダ・ラヴァル)に出場し、それぞれ銅メダルを獲得した。

松林さんは20歳。
洋菓子ブランド「アンリ・シャルパンティエ」(兵庫県西宮市)に所属する。

W杯では5000メートルリレーにアンカーとして出場し3位に入った。

「最後にバランスを崩してしまい、自分としては悔いの残るレースではありましたが、ベテランの方々のサポートもあり、銅メダルを獲得することができました」(松林さん)。

四大陸選手権では、同僚選手の棄権で、急遽1000メートルに出場。
結果は4位だったが、1位の選手が失格となり、銅メダルとなった。

「結果としては良かったものの、レースの内容は悔しさが残るものでした」(松林さん)。

■初の“海外”で大成果

松林さんにとって今回が初めての国際大会だった。

10月の全日本距離別選手権(長野県)のショートトラック500メートルで3位に入り、念願の海外キップを手に入れた。

これまで国内では実績を積み重ねてきたが、「今回の遠征で自分の実力を知ることができ、世界中の選手から様々なことを学びました」と語る。

■オフはケーキ製造

松林さんは神戸市出身で5歳からスケートを始めた。

アンリ・シャルパンティエを展開する株式会社シュゼットHDは、地元の西宮市にアイススケート場があることから、スケートの有望選手が仕事と競技を両立できるようにと、2018年に「氷上競技部」を設立した。

一昨年、アルバイトで入社した松林さんは、今春から正社員となり、シーズンオフは工場でケーキを製造している。

入社時は鍋を焦がすなど失敗もあったが、真面目に仕事に取り組み、今ではトップレベルの技術を持っている。

職場では「マツ」の愛称で親しまれ、トレードマークは眼鏡。
眼鏡をかけたスケートのトップ選手は珍しいという。

12月もW杯に出場する。

目標はW杯で再びメダルを獲得することと、年明けの全日本選手権(長野県)で好成績を挙げること。

スケート選手として、パティシエとして、松林さんはさらなる飛躍をめざしている。
(浮田信明)

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