芦屋市山手町の通称「ライト坂」にあるヨドコウ迎賓館。 およそ100年前に建てられたこの建物は、近代建築の巨匠、アメリカ人の「フランク・ロイド・ライト」によって設計されました。
老朽化による解体の危機も乗り越えたヨドコウ迎賓館は、保存活動の甲斐もあり、1974年、大正時代以降の建造物として初めて、国の重要文化財に指定されました。
1989年からは一般公開され、「阪神間モダニズム」を代表する建造物として知られています。
そのヨドコウ迎賓館で2023年5月から敷地内の発掘調査が行われ、これまでほとんどわかっていなかった地中に眠る遺構の存在が明らかになりました。
今回の調査では、迎賓館の東側の発掘が行われ、滝や池、渡り廊下などの他、当時、資料庫として使われた幻の温室跡も新たに発見。
10月3日の現地説明会には芦屋市の高島崚輔市長も視察に訪れ、図面と遺構を見比べながら熱心に見学していました。
今回、発掘された遺構について、近代建築史が専門で、調査を監修した足立裕司神戸大学名誉教授はこう話します。
「限られた敷地の中ぎりぎりに建物が建っているという印象をお持ちだと思うが、下(温室など)と上(主屋)が一体に設計されていたということがすごく重要なこと。
今回発掘してみて、それの根拠がこれだけきれいに出てきたということで、最初の設計が上だけでなく下と一緒にライトの建築 旧山邑家住宅ということになる。」
長い時を経て発掘された幻の遺構。 芦屋市教育委員会によりますと、調査は10月末まで続けられるということです。