川西市にある能勢電鉄 妙見の森ケーブルカー廃止へ

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川西市の妙見山で運行している「妙見の森ケーブル」が、来年6月に廃止されることが決まりました。
半世紀以上にわたって親しまれてきたケーブルカー。
多くの人が廃止を惜しんでいます。

「日本一の里山」として知られる川西市の黒川地区。
妙見山の中腹には、「妙見の森」と呼ばれる四季折々の自然が楽しめるエリアが広がります。
麓の「黒川駅」と「ケーブル山上駅」を走るのが「妙見の森ケーブル」です。
全長およそ600メートル、高低差223メートルの2駅をおよそ5分で結びます。

若園勝則さん。長年、ケーブルの運行に携わってきました。
「妙見の森ケーブル」は1922年に能勢妙見山への参詣手段として開業し、現在は能勢電鉄が運営しています。
第2次世界大戦中には、資材を国に提供することになり、運転が中止になったこともありました。
そして、ことし6月、利用者の減少や将来的に大規模なメンテナンス費用が必要になることなどから園内の施設やリフトなどとあわせて来年6月で廃止されることが決まりました。

妙見の森にはケーブル以外にもリフトや足湯など家族や友達と楽しめる施設がいくつもあります。
特に人気なのが山上駅から少し歩いたところにあるバーベキューテラス。
大自然の中でバーベキューを楽しむことができ休日には多くの人でにぎわいます。
山頂付近にあるお寺「能勢妙見山」。
北極星信仰の聖地としても知られ、多くの人がお参りに訪れます。

ケーブルとリフトを乗り継ぎ、300メートルほど歩くと見えてくる寺の鳥居。
植田副住職もケーブルの廃止を残念がっています。
また、妙見の森を訪れた人からもケーブルの廃止を惜しむ声が聞かれました。
ケーブルカーは標準軌という街中の電車と同じ幅の線路の上を走っています。
国内では静岡県の十国峠とここだけだといい、その珍しさに運行スタッフもどこか誇らしげです。
今月16日と17日に「能勢電鉄開業110周年」を記念して妙見の森でイベントが開催されます。

イベントを企画する松尾良子さん。
過去にケーブルを利用した人や施設を訪れた人たちにとって心に残るイベントになればと考えています。
まもなく廃止となるケーブル。
若園さんにも特別な思いがあります。
日本の四季を楽しめる妙見の森。
その中を悠々と走るケーブルカー。
営業が終わるその日まで、たくさんの人を乗せて走り続けます

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