ふるさと納税で高額な返礼品である温泉利用券を寄付者に渡し、制度の対象から除外された洲本市についてです。
市の第三者調査委員会は、7日、市に最終報告書を提出しました。
市の第三者調査委員会は、去年9月からこれまで7回の委員会を開催し、7日、上崎市長に最終報告書を提出。問題点を指摘した上で、28の提言を行いました。
最終報告書では、373品の返礼品に地場産品の基準違反や、基準を上回る高額な返礼品を送っていたことのほか、ふるさと納税の業務で違法、または不適切な事務処理があったことが指摘されています。
例えば、基準を上回る高額な返礼品の温泉利用券については、「会議などの記録票を問題発覚後に作成したことが虚偽の公文書になりかねない」「外部の団体まで巻き込んで、見積書を偽装している点で極めて悪質」と指摘しています。
また、市がふるさと納税の返礼品として発注した「おせち料理」については、議会の議決が必要な額にもかかわらず、魅力創生課の元課長が単独で業者と交渉を重ね、元企画情報部長が決裁。納税者以外にも一部の市民に贈られていたことが、市の契約規則や地方自治法にも違反すると指摘しています。
さらに、ふるさと納税の寄付額が増加していくことを歓迎して、元課長の方針を容認していた市幹部のコンプライアンス意識の低さ、法令順守面でのリーダーシップの欠如を指摘しています。
そして、ふるさと納税の復帰の時期については、市が発行した温泉利用券がまだ使われておらず、年間の経費を寄付額の5割以下とする基準を満たせない可能性が高いため、少なくとも来年度の復帰は困難との見通しを示しました。
洲本市は、最終報告書を今週中に市のホームページで公開する予定で、8日開会する市議会の一般質問では、8人の議員がふるさと納税問題について問いただします。