兵庫県加東市が発注した公共工事を巡り、業者に入札情報を漏らした罪に問われている市の元職員に対し、神戸地裁は7月20日、執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。
加東市管財課の課長だった男(56)は2020年、市が発注した旧庁舎の改修工事で、土木会社の元社長に最低制限価格を教えたとして、官製談合防止法違反などの罪に問われています。
これまでの裁判で検察側は、「公務の公平性の観点からも強く非難されるべき」として、男に懲役1年6カ月を求刑していました。
判決で神戸地裁の安西二郎裁判官は、「犯行により、入札の公正が現実に大きく害された」として、「職務の違反は大きい」と指摘。
一方で、「最低制限価格に近い価格で落札されていることから、金銭面では市に損害を与えていない」などとして、男に懲役1年6カ月、執行猶予3年を言い渡しました。