落語の定席演芸場として新開地に約40年ぶりに復活した「神戸新開地・喜楽館」(兵庫県神戸市兵庫区)が7月11日で開館5周年を迎えました。
長年不在だった支配人には、ABCテレビシニアアナウンサーの伊藤史隆さんが就任。野球実況などのアナウンサーとの二刀流で、喜楽館では、支配人としてプログラムを考え、広報活動にも携わります。
伊藤さんは、神戸市灘区在住で、神戸大学時代、落語研究会に所属。ABCラジオでも、25年以上落語番組を担当しています。
ええとこ ええとこ新開地!
神戸の新開地は、かつて「東の浅草、西の新開地」と言われた歓楽街でした。
神戸市出身で映画評論家の淀川長治さんも新開地で毎日のように映画を見て育ち、「新開地は私の人生の教室」だと語っていたほどです。
1905年、神戸の旧湊川を埋め立てた跡地に「新しく開いた地」として新開地が誕生。かつては東京帝国劇場をモデルに建てられた演劇場の聚楽館や演芸場の松竹座、芝居小屋が立ち並びました。
しかし、娯楽の多様化などによって新開地は次第に衰退。1995年1月17日の阪神淡路大震災では甚大な被害が出ました。
かつての歓楽街の活気を取り戻したい
地域住民が立ち上がり、文化や芸術のまちとして、にぎわいを取り戻そうと尽力してきました。そして、2018年7月11日、かつて神戸を代表する演芸場だった松竹座の閉館以来、42年ぶりに上方落語や大衆演芸を楽しめる施設「喜楽館」が開館。
昼は上方落語の定席、朝と夜は落語に限らず、講談、浪曲などの演芸、音楽、ダンス、健康セミナーと幅広く活用されています。