少林寺拳法の世界大会が6年ぶりに日本で開催されるのですが、今月、兵庫県の予選会が開かれました。
世界大会出場を目指して奮闘する高校生を7歳から少林寺拳法を続ける私が取材してきました。
ことし創部51年を迎えた報徳学園少林寺拳法部。
今月4日に行われた県の高校総体で総合優勝を果たすなど全国有数の強豪校として知られています。
総体を優勝で飾った選手たちが次に、目指しているのが、世界大会の出場です。
少林寺拳法の世界大会は4年に一度開催されますが、新型コロナの影響で延期され、ことし6年ぶりに日本で開催されます。
世界大会の予選にあたる兵庫県大会が3日後に迫り、練習にも熱が入ります。
報徳学園は予選会で「単独演武」と2人一組の「組演武」、6人、または8人で構成する「団体演武」の3種目に出場します。
「団体演武」の指揮をとるのは松本一(まつもとかずき)輝キャプテンです。
高校から少林寺拳法を始めた松本君。
部員からの信頼も厚く、持ち前の明るさとリーダーシップでチームを引っ張ります。
松本くんも初めての挑戦となる世界大会の予選。
6年ぶりの開催で盛り上がりをみせる中、ある人を訪ねました。
明石市で道場を構える今井明雄(いまいあきお)さん、86歳。
現在、世界で十数人しかいない最高段位の九段です。
今井さんは少林寺拳法発祥の地・香川で、創始者から学び、およそ60年間、指導者として世界各国で魅力を伝えてきました。
実は、私、柴原は前回の世界大会に出場した経験があります。せっかくの機会に、今井先生に稽古を付けてもらいました。
コロナの影響で延期となった世界大会。
今井さんも期待を寄せています。
報徳学園は予選会で「団体演武」に最も力をいれています。
6人の突きの角度や頭の位置、気合の長さなど得点に影響する項目はたくさんあります。
特に難しいのは、技をスタートさせるタイミング。
この日は、何度も地道な練習を繰り返し、最終調整を重ねていました。
兵庫県の予選会には、小学生から社会人までの747人が出場しました。
大会は入場などの制限が解除され、コロナ前の雰囲気が戻ってきました。
松本君も気合が入ります。
報徳学園が出場する「団体演武」一般の部には、高校生から社会人までの合わせて7チームが参加。
この中で一組しか世界大会に出場することは出来ません。
いよいよ、報徳学園の出番です。
今井先生も会場を訪れ、演武を見守ります。
持ち前のスピードと息の合った演武で高得点を得るも、結果は2位にあたる優秀賞。
松本くん率いる報徳学園はあと一歩のところで、世界の舞台へ駒を進めることはできませんでした。
「団体演武」での世界大会出場は逃した松本くんですが、組演武で見事、最優秀賞に輝き、世界大会への切符を手にしました。
兵庫から世界の舞台へ。
高校生たちの挑戦はまだまだ続きます。