”詐病疑い”医師の証言受け 遺族「許されることではない」 神戸市北区男子高校生殺害事件

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  • 9日の公判後に会見を開いた遺族

13年前、神戸市で高校2年の男子生徒が殺害された事件の裁判で、被告の男を精神鑑定した医師が「詐病の可能性が高い」と証言したことを受け、遺族は「許されることではない」と述べました。

2010年、当時17歳だった無職の男(30)は、神戸市北区で高校2年の堤将太さん(当時16)をナイフで複数回刺して殺害したとして、殺人の罪に問われています。 男はこれまでの公判で行為を認めたものの、殺意を否認していて弁護側は判断力が劣る心神耗弱状態だったと主張し刑事責任能力の程度などが争われています。

6月9日の公判では、男の精神鑑定を行った医師が出廷し、「犯行当時の被告に精神疾患はなく、責任を逃れるために精神疾患を装っている詐病の可能性が高い」とする鑑定結果を報告しました。

将太さんの父「許されることではない」憤りあらわ

公判を終え、会見を開いた遺族の堤敏さんは「許されることではない」と語りました。
【堤敏さん】
「僕らが(男の)取り調べ(調書)を見せてもらった段階のものと(公判で)言っていることがあまりにもかけ離れていることが暴露された。許されることではない」

公判2日目に行われた被告人質問で男が事件について「記憶が薄れていた」などと答えていたことについて敏さんは「病気ではないという鑑定結果は『事件を覚えていないというのは嘘だ』と言っていただいているようなものだと思った」と述べました。

敏さんの代理人を務める河瀬真弁護士は「鑑定医も詐病という判断に至った経験はこれまでにないと言っていたし、非常に珍しいことだと思う。きっちり鑑定していただけたというのは被害者参加人の立場として非常に良かった」と振り返りました。

敏さんをはじめ被害者家族5人は6月12日に行われる公判で被害者遺族としての心情を述べる意見陳述を行う予定です。
判決は23日に言い渡されます。

 

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