元兵庫の高校球児が悲願の全国大会へ 湯浅アナが大阪公立大エースに聞く

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大学野球の日本一を決める「全日本大学野球選手権大会」が6月5日に開幕します。 初出場となる大阪公立大学のエースは兵庫県の元高校球児です。全国大会にかける思いをサンテレビの湯浅明彦アナウンサーが取材しました。

大阪府立大学と大阪市立大学が統合し、2022年4月に開学した大阪公立大学。学生数は約1万6000人で学部の入学定員は国公立大学では3番目の多さです。 今回のテーマは、大学野球。湯浅明彦アナウンサーが兵庫県の元高校球児を訪ねました。

湯浅アナ
「私とても会いたい人がいまして、高校時代から見ていたひとりなんです。大阪公立大学のエース・正中敦士投手です」

大阪公立大学4年生・正中敦士投手(22)。兵庫県立小野高校出身で抜群の制球力と最速144キロの直球が武器の本格派右腕です。

春の近畿学生リーグで6勝をあげて防御率は1・29を記録。去年の秋に続き「最優秀投手」に輝きました。 不動のエースとしてチームを引っ張り、大阪公立大を前身の府立大と市立大を含めて春秋初めての全国大会出場へと導きました。

湯浅アナ
「全国大会出場おめでとうございます」
正中投手
「今はワクワクが勝っている。僕は試合が近づくと自分のピッチングができるか不安が勝ってくるので、ワクワクは一時的なものです」
湯浅アナ
「ワクワクはどこからくる?」
正中投手
「高校でギリギリでいけなかった全国の舞台、高校時代からずっと目指していて、そこにもう少しで立てるという楽しみはある」

高校時代からの夢だった全国の舞台。正中投手には決して忘れることができない試合があります。

正中投手
「あの試合があったから、今まだ野球ができている。全国を心の底から目指せている思いもある。あそこで甲子園に行きたかったという悔しさもある」

2018年の夏、小野高校は創部以来初めて準決勝に進出しました。対戦相手は、県内公式戦20戦無敗の明石商業。正中投手は1回戦から全5試合をひとりで投げ抜き、この試合を迎えました。

8回まで無失点に抑え3点リードで迎えた9回。あと2人打ちとれば甲子園に王手…という場面で、まさかの同点に追いつかれてしまいます。

正中投手
「当時の試合映像は気持ちを入れて見れない。怖い。自分がだんだん崩れていくのが怖い。失敗から学ぶのが大事だが、思い入れのある記憶にあまり残っていないが、色んな人の記憶に残る試合だったので怖い」

正中投手は延長10回、1アウト満塁からサヨナラヒットを打たれます。小野高校として初の4強入りを果たしましたが、決勝には届かず、甲子園への夢は絶たれました。

正中投手
「もうちょっとで届かなかった。でも全国にいける実力はあると感じた。まだ、学生野球で全国に行けるなら大学でもう一回目指そうという気持ちにさせてくれた試合」

1年の浪人期間を経て大阪市立大学に入学した正中投手。入学から2年後、チームは府立大と統合し、新チームとなりました。小林監督は、正中投手の成長は本人の努力の結果だと話します。

小林監督
「入学から体つきも下半身も大きく変わっていった。しっかり練習を積まないとああはならないので、チームとしても練習としても努力を重ねている」

大阪公立大学となった3年春、正中投手はリーグのベストナインに選出され、秋にはMVPを獲得しました。

青野投手(4年)
「正中自身野球に対する姿勢がすごくて、投げているボールが凄くなったのはもちろん、チームを勝たせる思いが強くなったエースとして」

母校の新たな歴史を作った正中投手。 伝統は受け継がれ、小野高校はことし春のセンバツ大会で21世紀枠の推薦校に選出されました。初の甲子園出場は逃しましたが、最終の候補校まで残りました。

正中投手
「小野が最終の3校に残ったから僕も春リーグ頑張った。モチベーションになれているので、僕が全国に出たから僕を見て、夏頑張ろうと思ってくれたうれしい」

高校時代、あと一歩届かなかった甲子園。あの悔しさを胸に、今度は大学日本一を決める夢の舞台での活躍を誓います。

正中投手
「高校・大学と歴史を作ってきたのでまた更新したい。全国に出るだけでは意味がないので、1勝2勝と目先の試合を頑張りたい」
湯浅アナ
「大学時代、野球部ではなかったけど、応援しています。頑張ってください」
正中投手
「頑張ります」

 

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