【ヴィクトリーナ姫路】4選手が引退、「バレーボールは楽しいと思って終われた」

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現役引退する(左から)20吉崎、16清水、12孫田、7堀込の4選手に花束を渡す竹下佳江さん

■11選手が退団

女子バレーボールVリーグのヴィクトリーナ姫路がシーズンを終え、5月14日、本拠地のヴィクトリーナ・ウインク体育館(姫路市)でファンとの交流会を開いた。

チームは今シーズン5勝28敗でV1最下位に終わり、入れ替え戦にも敗れてV2降格が決まった。

登録選手28人のうち4割の11選手が今シーズン限りでチームを去る。

このうち現役を引退するのは、リベロ7堀込奈央、アウトサイドヒッター12孫田菜奈・16清水茜里・20吉崎ひな、の4選手。

また、アウトサイドヒッターの4セレステ・プラク(オランダ)・8宮地佳乃。
ミドルブロッカーの3大元朱菜・5長野有紗・9吉岡可奈。
セッターの17清田萌。リベロの6花井萌里の7選手は他チームに移籍する見通し。

挨拶する11荒谷栞キャプテン(中央)

現メンバー最後の円陣

■思い込めファンに挨拶

引退の4選手は初代監督の竹下佳江さん(現・球団エグゼクティブアドバイザー)から花束を受け、声を詰まらせながらファンに挨拶した。

リベロのほかセッターやリリーフサーバーとして活躍した堀込は、「小学生から始めたバレーボールを皆さんの支えで続けて来れた。区切りをつけ、新しい人生を頑張りたい」。

スパイクを決めると全身で喜びを表現した孫田は、「“孫ちゃんから元気をもらってる”と声をかけられ、私も元気をいただいた。最後の黒鷲旗大会で、バレーボールは楽しいと思って終われてよかった」。

公式戦出場は1試合だったが、黙々と練習した清水は、「バレーボールでいろんな出会いがあり、後悔は何もない。これからはヴィクトリーナのファンとして応援していきたい」。

異色の9人制選手として鹿児島銀行から移籍した吉崎は、「9人制から6人制のプロチームへ大きな挑戦だった。活躍できなかったがファンの応援が励みになった」。

また5月末で退任する橋本明・球団社長は、「V2降格は申し訳ない。7年前、選手ゼロ、スポンサーゼロで始めた。事務所もなく、企画書を入れた私のカバンが事務所だった。今ではチームは大きな組織になった。引き続き応援してほしい」と語った。

セリンジャー新監督/5月10日

『ダイナミックなバレーをめざす』と語 る

■「負けが成長につながる」

ヴィクトリーナ姫路は5月10日、新監督に就任するアヴィタル・セリンジャー氏(64)の記者会見を開いた。

セリンジャー氏は、オランダ代表選手(セッター)として1992年バルセロナ五輪で銀メダルを獲得。

現役引退後は、オランダ女子代表チーム監督をはじめ、各国のチームを率いてきた“名将”で、
日本でも旧オレンジアタッカーズ(神戸市)や久光で監督を務め、久光をVリーグ優勝に導いた。

会見でセリンジャー氏は、「見て美しくダイナミックなバレーボールをめざす」と明言し、V2降格についても、「勝ち続けるよりも、負けることが成長につながる」と前向きにとらえた。

そして自ら漢字で「百%」と書いた色紙を報道陣にかざして、選手に100%の力を出すよう求めた。
8月に再来日して、そこからチームの指導に入る予定。

ヴィクトリーナ姫路は、来々シーズンから新設されるトップの「S-Vリーグ」(仮称)への参入をめざしている。
まずは今年秋からのV2リーグで、新監督のもと、どんなチームに変貌するか楽しみだ。
(浮田信明)

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