【特集】入国制限大幅に緩和 留学生たちが直面する新たな課題

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  • やどかりで暮らす留学生たち

  • 食料支援の準備をする中野さん

  • バングラデシュ出身の留学生・リヤさん

  • 技能実習生に日本語を教える中野さん

入国制限の緩和により、多くの留学生や技能実習生が日本を訪れています。

物価高騰やアルバイトなど、彼らが直面する新たな課題と、外国人支援を続ける神戸の女性を取材しました。

神戸市兵庫区にある「国際交流シェアハウス やどかり」。
外国人留学生や技能実習生が暮らす施設です。

技能実習生は、ここで1カ月ほど暮らし、企業に派遣される前に、日本語やマナーを学びます。

やどかりのオーナーで、外国人支援を行うNPO法人Oneselfの理事長・中野みゆきさん(38)です。

新型コロナウイルスの感染拡大により利用者が激減し、やどかりは一時、閉館の危機にもさらされました。

この春から徐々に入国制限が緩和され、施設にもにぎわいが戻ってきています。

【中野さん】
「また新たに1年生として入ってくる留学生とかようやく入国して配属されるっていうのを楽しみにしている技能実習生の受け入れもできたのでよかったなと思っています」

今は、およそ20人の外国人が暮らしています。

夢を叶えるために日本を訪れた若者たち。今、新たな課題に直面しています。
それは、日本で暮らすために必要なアルバイトです。

【中野さん】
「エージェント(仲介業者)とかは『アルバイトが見つかるから』という話をされたと聞くんですけど、実際は皆が(入国が)止まっていた中、急に再開したのでアルバイトも取り合いみたいになっていて、日本語をあまりまだよく分からない子たちがピッキングや野菜のカットや食品工場に行く時にもうすでにちょっとでも先に飛んできていた留学生がアルバイトをしている」

日本の物の価格や、生活に慣れていない彼らのため、やどかりでは定期的に食料支援を行ってきました。

【中野さん】
「最近、ネパールの子が増えてきているので、豆とか大豆のお肉で、ヴィーガン(完全菜食主義)とかが売ってたらムスリムの子でも使えるので、最近はちょっとずつハラール(イスラム教徒が食べられる食品)とかヴィーガンの子の食品を集めています」

その活動も、価格高騰の影響が出ています。

【中野さん】
「今までだったら野菜を食料品を提供する前の日に買いに行っていたんですけど、前だったら箱買いして運んでいたんですけど、最近値段を見ると箱買いがしづらい 少し高いなと思いながら バナナを1房のまま全員に配れていたのが、3本ずつとか リンゴも徳用を買うけど2個ずつとか」

南アジアの国、バングラデシュ出身の留学生、リヤ・イフラ・アクタルさん(21)。
日本での就職を目指し、やどかりで生活しながら日本語学校に通っています。

【リヤさん】
「私はバングラデシュ人ですから、日本は新しいから、いろいろな街は素敵です。見るのが素敵」

月に3回、工場でのアルバイト。
そこで稼いだ2万1000円の月収が、リヤさんの生活費の全てです。
決して満足な収入とは言えません。

【リヤさん】
「私は日本語が正確に話せません。日本では日本語が一番大切なことです。日本の人と話すためには日本語を話さないといけない。それが(アルバイトが少ない)理由です」

苦しい生活の中でも、リヤさんには、日本で働かなければならない理由がありました。

【リヤさん】
「私には父がいないからです。父は糖尿病を患っていました。ある日父が『胸が痛い』と言って病院に行き、その翌日に亡くなりました。医者は『新型コロナウイルスに感染していた』と言っていました」

前を向いて日本で暮らす外国人にも、それぞれの夢や覚悟があります。

【中野さん】
「何かあったらここに来たらいいよって言えるくらいスタッフと留学生、技能実習生の関係を構築したいと思っていて、外国人だけでなく地域の方にも知っていただくことで、地域の方と外国にルーツをもつ人が気軽に接することができる場所になりたい」

慣れない言葉と、暮らしの中で迷う彼らに、私たちができる支援とは。

【中野さん】
「うちにも地域の方が実際に来られます。食べ物だけでなく家電や洋服の話もあります。日本語教えるボランティアがあれば、とかいろんなことを言ってきてくださるので、もし何かサポートしたいと思ってくださる方がいらっしゃるなら、NPOや支援団体に話をしてもいいかもしれません」
 
決して夢を諦めてほしくない。中野さんは、支援の手を止めることはありません。

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