■スローガンは「突破」
女子バレーボールの国内トップリーグ、Vリーグ1部(V1)が10月29日に開幕する。
ヴィクトリーナ姫路は2019年にV1に昇格したが、成績は12位(最下位)→10位→11位と3季連続して下位に低迷し、V2との入れ替え戦も2度経験した。
このため4季目の今シーズンは「突破」をスローガンに、下位脱出を図る。
10月18日のVリーグ開幕会見で姫路の荒谷栞(あらたに・しおり)キャプテンは、「今シーズンがヴィクトリーナ姫路にとって分岐点となる結果を残したい。自分たちに立ちはだかる壁を突破する姿にご注目ください」と力強く宣言した。
■両方できる強み
新戦力では宮部藍梨(みやべ・あいり 24歳 181㎝)が大注目だ。
兵庫県尼崎市出身。大阪・金蘭会高時代に16歳で日本代表に選ばれた。
その後、アメリカに留学していたが、ことし6年ぶりに代表に復帰し、5月に姫路入団を発表した。
先日の世界選手権で眞鍋政義代表監督は宮部を、本来のアウトサイドヒッター(OH)ではなくミドルブロッカー(MB)で起用。宮部は期待に応えて活躍した。
開幕会見で宮部は、「世界選手権ではMBでプレーし、手ごたえや新しい自分の良さを見つけた。Vリーグでは、MBとOHの両方ができることを強みとしてチーム勝利に貢献したい」と抱負を語った。
■チーム力がアップ
宮部入団と並ぶ朗報は、オランダ代表セレステ・プラク(27歳 190㎝)の契約更新だ。
昨季はリーグ3位の666得点を量産。
世界選手権でもオランダの“大砲”として存在感を示した。
姫路2季目の今季は慣れ親しんだ背番号「4」に変更し、昨季以上の活躍が期待される。
このほか初めて日本代表登録メンバーに選ばれた佐々木千紘(MB)、花井萌里(リベロ)両選手も健在だ。
竹下佳江、中谷宏大両氏に続く3代目監督に就任した安保澄(あぼ・きよし)新監督は、「2~3年目の選手も力をつけた。今季は8位以上をねらう」と話す。
■優勝すれば“賞金1億円”
V1リーグはレギュラーラウンドで各チーム33試合を戦い、上位4チームがプレーオフに進んで優勝を争う。
また11、12位チームはV2との入れ替え戦に回る。
ヴィクトリーナ姫路の橋本明球団社長は、10月12日の記者会見で、新アリーナが姫路に完成するまでの5年以内にチームが優勝すれば、スポンサー企業5社から祝い金として計1億円を受け取ることで合意したと発表した。
1億円のうち半分の5000万円は選手・スタッフに分配し、残り5000万円はチーム活動費に使うという。
■姫路で12試合
ヴィクトリーナ姫路の今季開幕戦(29、30日)はアウェイで岡山シーガルズ(昨季9位)と戦う。
ホーム開幕戦は11月12、13日に、昨季の覇者・久光スプリングスをヴィクトリーナ・ウインク体育館(姫路市立中央体育館)に迎えて戦う。
同体育館では来年3月まで計12試合が行われる。
ヴィクトリーナの“突破”に期待したい!
(浮田信明)