天空の城として知られる朝来市の竹田城跡。辺りを覆う雲海は、毎年10月と11月にシーズンを迎えます。そんな竹田城跡に勝るとも劣らない幻想的な光景「川あらし」をご存じでしょうか?
【川越カメラマン】
「今回は豊岡市の円山川に来ています。ここで『川あらし』といわれる自然現象が見られるということです。」
川あらしの国内有数の発生地となっている円山川河口付近。どんなものなのか聞き込み開始です。
【地元の人は―】
「たまにありますね、寒い日に。天気のいい日とか。」
「何かきれいだなって。」
「初めて見たときびっくりしました。いや、すごいですよ。」
全国の1級河川で川あらしが確認できるのは円山川のほか、愛媛県大洲市の肱川、鹿児島県薩摩川内市の川内川の3か所のみ。そこで「日本三大川あらし」と名付け、各地域の地元有志が連携し、イベントやラジオ出演、SNSでの情報発信を行ってきました。
川あらしを何としても撮影しようと、待つこと10日。天候条件が揃い、川越カメラマンが円山川河口付近の高台に向かいました。
【川越カメラマン】
「ただいま5時53分です。川あらしが出そうな日は必ず観察に来るという人がいるのでやってきました。」
そこには風に揺れる巨大な濃霧が。目の前に迫ってきます。
川あらしとは、昼夜の寒暖差によって発生した濃霧が川に沿って海に流れだす自然現象のこと。霧は風の向きや強さによって濃淡を描き、山々に降り注ぐ滝や、枝垂れのようにも見え、様々な表情を見せます。
円山川のように下流が山に挟まれた場所では、風の勢いがさらに強くなり一気に海へ流れ出します。また、日の光に照らされ、刻一刻と変化を見せる「霧の芸術」。まさに別世界です。
「円山川あらしプロジェクト」の脇聡士さんです。川の河口付近に住んでいて、川あらしを見続けて数十年です。
【脇さん】
「家を出たら、もう(霧が)流れているのが見える。こういった景色が見られるというのは知っていたが、希少価値があると知ったのはここ数年。(今回の川あらしは)今年では一番きれいに出ているかな。」
つづいて、川あらしの元をたどるべく来日岳山頂へ向かいました。
一面に広がる雲海です。毎年秋から翌年春に観測されますが、一番よく出るのが10月と11月。豊岡盆地の山々を覆い、まるで空の上にいるかのよう。
盆地に溜まっていた濃霧が山を越え、分厚い霧となり、円山川の風に乗り、川あらしとなります。
【川越カメラマン】
「霧が海へと流れ下る雄大な景色に感動しました。川あらしはこれからが本番です。ぜひ一度、見に来てください。」