国内最大級の防災イベント「ぼうさいこくたい」が10月22日(土)と23日(日)、神戸市中央区のHAT神戸で開催されます。メイン会場は、阪神淡路大震災後、防災・減災の拠点として誕生した「人と防災未来センター」(開館20周年)です。
「ぼうさいこくたい」をあなたは知っていますか?
「こくたい」と言えば…。2006年の「のじぎく兵庫国体」など「国民体育大会」を連想する人が多いはず!そこで開会式が行われた国体ゆかりの地で「ぼうさいこくたい」について聞いてみました。
【のじぎく国体の開会式が行われたユニバ―記念競技場前でインタビュー】
(女性)いや~聞いたことないです。知らないです
(男性)いや知らない
(女性)私も今初めて知りました。ぼうさいこくたい?
もう1つの兵庫の国体ゆかりの地で
まだまだ神戸市民には十分に認知されていない様子。そこでもう1つの国体ゆかりの地の王子公園へ。1956年、第11回大会の開会式が行われたのが神戸市灘区の王子陸上競技場でした。
【王子スタジアム陸上競技場前でインタビュー】
(男性)天皇陛下が来られた。この辺りも国体によって景色ががらりと変わった。当時開発が遅れていたから。国体のおかげで、国体道路など一挙に開発が進んだ。
インタビューした場所は、「ぼうさいこくたい」の会場のHAT神戸から徒歩20分。この地域の住民なら「ぼうさいこくたい」について知っているはず…。
(男性)知らへん
(学生)初めて聞きました。消防士さんが集まるんですか?
「ぼうさいこくたい」の「こくたい」の意味
国内最大級の防災イベント「ぼうさいこくたい」とはどんな大会なのか?主催する内閣府の前川紘一郎企画官に聞きました。
(内閣府 前川紘一郎 企画官)
この「ぼうさいこくたい」は年に1度、防災に関する活動を行っている様々な団体が一堂に会して取り組みの発表、あるいは展示などを行う日本最大級のイベントです。
「こくたい」の意味は、「国民体育大会」ではなく国民の防災意識向上を目指す「国民大会」の略です。
ことしで7回目を迎えて神戸初開催。第7回防災推進国民大会2022in兵庫には、過去最多の320団体が出展し、3つの建物となぎさ公園の4会場で行われます。
「ザ・ぼうさい」とも言えるような防災の専門家が語り合うセッションをはじめ、AR=拡張現実を使って豪雨や暴風を疑似体験できる日本気象協会のHERASEON(ヘラセオン)など、さまざまな屋外展示やブースがあります。
2つのデジタルスタンプラリー
大会に先行して、9月1日からは、阪神淡路大震災の被害をその場所に訪れて映像を見ながら振り返るスタンプラリーを開催。兵庫と大阪40カ所のチェックポイントを周り、クイズに参加してスタンプを集めます。
ポケモンで防災を学ぶ!?
そして10月22日と23日だけ開催されるもう1つのスタンプラリーが!
(内閣府前川企画官)
「ポケモンぼうさいきょうしつ」ということで災害時にどういった行動をとればいいか会場を周りながらポケモンのキャラクターの登場するクイズに答えることで親子で楽しみながら防災を学べるスタンプラリーを開催します。
デジタルスタンプラリーでは、会場内のチェックポイントを周り、万が一の災害の時に身を守るためのヒントを親子で学ぶことができます。
ポケモンぼうさいきょうしつ
IHDセンタービルの会場では、ポケモンが登場する映像やクイズを通して災害時に身を守る行動を楽しみながら学ぶことができる「ポケモンぼうさいきょうしつ」も開催されます。
※先着順で人数に限りがあり
※参加対象 3歳~12歳の子どもと保護者
全国から防災を学ぶ学生や生徒が神戸に!
ぼうさいこくたいには、防災に関わる企業や団体、地域住民に加えて多くの学生や生徒も出展します。準備を進めているのは、神戸学院大学の防災女子です。
(小山田遥さん)
防災女子は神戸学院大学で防災を学ぶ女子学生で構成されています。日ごろローリングストック法やポリ袋調理、災害時の栄養の問題について啓発をする活動を行っております。
防災女子のメンバーは、プレゼンテーションのブースに出展し、災害時の栄養補給やポリ袋を使った調理方法などを解説します。
(國松万煕さん)
同じ大学の中でも知らない方もいると思うのでそこを知るとともになかなか普段では関わることのできない東北だとか、九州の方だとか、そういった方とも接点を持てるいい機会なのでその辺りをとても期待しています
選挙と防災!?
こちらは、新聞やSNSを通して学生たちに情報を発信している神戸学院大学のクローズアップ社会研究会。2021年の兵庫県知事選挙や2022年の参院選を取材した経験から、防災についてどの候補者がどのような公約を掲げていたかなどを発表します。
稲澤遥樹
「選挙をする際に選挙公約を出すが、その中で防災の項目を入れている選挙の候補者の方はすごく少ないんですね。ただ、防災というのは私たちが日本で生活をしていく上でどうしても切っても切り離せないもの」
サンテレビも23日にワークショップを開催
サンテレビも朝日放送グループと共同でワークショップを開催。27年前の阪神淡路大震災で神戸の被災地を撮影したサンテレビの井田和秀(当時)カメラマンと、朝日放送テレビのカメラマンや震災当時0歳だった記者がアーカイブ映像と現在のまちの姿を比較しながら未来の防災について語り合います。
内閣府 前川企画官
神戸開催の「ぼうさいこくたい」を通じて災害の経験、あるいは教訓を伝承することの重要性を再認識して私たち1人1人が日ごろから防災に取り組むということが大切だということを訴える機会にできればと考えています。
オンライン併用で他の4大会もHAT神戸で同時開催
ぼうさいこくたいは、10月22日と23日神戸市中央区のHAT神戸で開催します。会場となるHAT神戸では、下記の4つのイベントが同時開催されます。
①「ALL HAT ひょうご防災フェスタ2022」。防災訓練のほか、住民と神戸大学とボランティアの地域連携を考えるシンポジウムが開催されます。
②「あなたは、大切な人を救えますか?」という日本赤十字社による心肺蘇生やAEDの講習イベント。
③環境省主催「災害廃棄物対策推進シンポジウム」
④内閣府主催「防災×テクノロジー 官民連携プラットフォーム」