農業で障害者の雇用をつくる 淡路島に就労支援マルシェ

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8月10日にオープンした「MUKUマルシェ」は、農家の担い手不足解消と障害者の就労支援を目的とした、淡路島で初となる「農福連携型のマルシェ」です。

(お客さん)
新しいお店ができてるねとのぞいているんですけど、変わったものがいっぱい売ってらっしゃるから面白い。これは何、あれは何と話をしながら見ている。

代表を務めるのはNPO法人「MUKU」の福井宏昌さんです。

(福井さん)
住める場所働ける場所、子どもたちや高齢者の方、多世代の方が一緒にこの場所で交流しあうことで、お互いが生かしあえる環境をつくれたら。

大阪で発達障害のある子どもたちの支援や、放課後等デイサービスの運営も行っている福井さん。友人の子どもが発達障害と診断を受けたことが福祉の道を志すきっかけだったといいます。

(福井さん)
子どもたちの中にはいろんな特性を持っている子どもたちがいて、みんなと同じように平均的にやれることをやるというのは難しい子もいるんですけど、自分の好きなことであったり、得意なこととかだったら自分の中での可能性を最大限に輝かせられる子供たちもたくさんいるので、働ける場所も自分の好きなことを生かせて働ける場所づくりというのが必要だなと思い、淡路島でご縁があったので。

福井さんは、去年6月、障害がある人の働く場として農地を借り、そこで作った作物を販売するため、8月、MUKUマルシェをオープンしました。

柏木稔弘さん。福井さんの元で働く障害者のひとりです。

元々は自営業をしながら農業を営んでいましたが、6年ほど前に狭窄症を患い、働くことができなくなったといいます。

(柏木さん)
MUKUと出会ったのはちょうど自分の農園のところ。
「(福井さんが)福祉の仕事をしている」ということで、自分も三木の方まで(働きに)行っていたんですけど、体力的にもついていけなくなりまして。
「どうですか社長。自分も可能ですか?」と聞いたら「構いません」と言ってくれた。

柏木さんの仕事は事業所での軽作業と畑での農作業。足に障害を抱えながらも、職員のサポートもあって元気に働いています。

(柏木さん)
はっきり言って家にいるよりか外に出て、自分の合う仕事をしとる方が気が楽です。それだけは声を大きくして言えます。

(一緒に働く職員)
明るくて元気な方で話しやすい、人生の先輩なので尊敬しています。

畑では現在、カボチャやサツマイモを育てています。柏木さんは、今の仕事にやりがいを感じているといいます。

(柏木さん)
自分としては楽しいですよ、ほんまに。正直時間を忘れるぐらい。
天気良かったら眺めもいいし、しんどなったら景色見てればいいしね。

(福井さん)
自分の好きなこととか得意なことで働ける場所を作っていきたいというのが根本にあるので、土に触れたり、作物を作ったり、収穫したりとか、働く楽しみをみんなで味わえたらうれしいと思います。

淡路島で初めてとなる「農福連携型マルシェ」。農業を通じて、誰もが自分の可能性にあった環境で生き生きと暮らせる社会を目指します。

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