ウクライナから神戸に避難したバレリーナ 日本での再起を誓って練習再開

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バレエ大国・ウクライナから神戸に避難してきたバレリーナたちがいます。言葉も文化も違う日本で再起を誓い、練習を再開しました。

オデーサから避難してきたバレリーナ

ある夫婦のダイヤモンド婚を祝い、神戸で開かれたパーティー。会場では、ウクライナへの人道支援募金が行われたほか、神戸に避難してきたバレリーナ2人も招待されました。

左:パリー・アナスタシアさん 右:マラ・ヴァレリアさん

パリー・アナスタシアさんとマラ・ヴァレリアさん。2人は、ウクライナ南部の都市オデーサのバレエ団の一員で1カ月ほど前から神戸に避難してきています。

パリー・アナスタシアさん
 「オデーサでは2度の爆撃がありましたが、その直後に私は不安になり始め、どんな風に終わるのか分かりませんでした。難しい問題で何をすべきかを決めることができませんでした。オデーサにとどまり、私たちが暮らせるようすべてがうまくいくようにと願っていました」

「黒海の真珠」と呼ばれるほど美しいまち オデーサ

オデーサは、人口100万人ほどの国内で3番目の都市。「黒海の真珠」とも呼ばれる美しいまちで、国内で最も古い国立オペラバレエ劇場やバレエ学校があります。しかし、この町もロシア軍による度重なるミサイルの攻撃を受けていて、バレエ団の2人は避難を余儀なくされました。

ミサイル攻撃を受けたオデーサ(State Emergency Service of Ukraine Facebookより)

マラ・ヴァレリアさん
「私がウクライナを去る時、長期化しないと思っていたが、いつ終わるか分からないという現状を理解するようになり、腹が立ち、悲しくなり、様々な感情になりました」

自身の母親や後輩バレリーナたちを神戸に避難させた

オデーサから6人のバレリーナを神戸に避難させたのが、オデーサの劇場でソリストとして活躍したコズロヴァ・ユリアさん。20年前、バレエの指導者として来日し、現在も神戸や大阪でバレエを教えています。

コズロヴァ・ユリアさん

コズロヴァ・ユリアさん
「ウクライナからの避難民をサポートしながらバレエの日本の芸術とウクライナの芸術を共有するチャンスとして一緒にダンサーを集めてイベントとか劇場の場を作りたいと思います」

コズロヴァ・ユリアさんは、避難してきた後輩たちが日本でもバレエの仕事で生活できるように活躍の舞台をつくろうと奔走しています。

ウクライナを離れて5月下旬から神戸で練習を再開した6人のバレリーナたち。全員がオデーサのバレエ団で活躍してきたメンバーです。コズロヴァ・ユリアさんを通じて神戸には、バレリーナ6人とその家族8人の14人が避難してきました。目指すは、日本でのバレエ公演です。

マラ・ヴァレリアさん

マラ・ヴァレリアさん
「私たちはバレエで日本の皆さんにウクライナ人の気持ちをお見せできると思います。日本の皆さんも武力ではなく、バレエの演技で私たちを理解できるでしょうし、将来良い舞台ができると思います」

パリー・アナスタシアさん
「ウクライナは、世界中からの支援を必要としています。私たちウクライナ人は、よく働き、親切で、世界中の助けがなければ、戦争に勝つことはできません。勝利を願っています」

パリー・アナスタシアさん

メンバーを率いているのが、ドブリャンスカ・オレナさん。ウクライナの名誉ある芸術家の1人に選ばれている有名なバレリーナです。6月25日に大阪市のザ・シンフォニーホールで人道支援コンサートが開かれ、ドブリャンスカ・オレナさんも舞台に立つ予定です。問題は、3カ月も練習できない状態が続いていたことです。

ドブリャンスカ・オレナさん

ドブリャンスカ・オレナさん
「日本の地でもう1度舞台に立ちたいです。ウクライナへの侵攻が始まった2月24日以来、私たちはバレエの練習ができていません。ほぼ3カ月間。コンディションを保とうと努力しましたが、バレリーナが生活できて働けるような状況ではありませんでした」

何もかもが違う環境で生活し働く難しさ。日本の人たちには心の面でも支えてほしいと訴えます。

ドブリャンスカ・オレナさん
「例えば、ウクライナへの財政支援、避難してきた私たちのような人々への支援も重要ですが、それ以上に支えようという気持ちこそが私たちにとって非常に重要です」

今後、オデーサから神戸に避難予定の男性ダンサー2人もメンバーに加わる予定です。

 

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