◾️阪神0-1x中日(延長10回)
中日の大野雄大が延長10回二死までパーフェクト。阪神の青柳も9回を無得点に抑えたが、10回ウラ、石川昂也にサヨナラ打を打たれた。
◾️自力で打つしかない
(8回表、大野はここまで球数84球。打者21人を完全に抑えている。
阪神先頭の4番大山はレフトに大きなフライ)
サンテレビボックス席、解説の山崎武司氏(中日-オリックス-楽天-中日)は、
「いやー、いまヒヤッとしましたね、大野は。芯はとらえていると思うんですけども」
湯浅明彦アナ:
「いま大山の表情、見てましても、打ち損じた、しまったなという表情に見えました」
(大野は続く2者を打ち取り、パーフェクト継続中。
一方の青柳も許したのはヒット1本だけ。8回ウラのマウンドに立った)
湯浅アナ:
「大野と青柳、ここまでの投げ合いはなかなかないですね」
山崎氏:
「素晴らしいですねえ」
(青柳は高橋周平にヒットを打たれ、二死1、3塁でバッターは大野)
山崎氏:
「(大野が)自力で打つしかありませんよね」
(大野はセンターへ弾き返したが、近本がランニングキャッチ)
湯浅アナ:
「スリーアウト!しのいだ青柳!……ここは苦笑いの大野です」
◾️異様な雰囲気
(9回表、大野が2者を打ち取ると、「9番ピッチャー青柳」のコールに球場内が沸く。青柳は積極的に打って出た)
湯浅アナ:
「セカンドゴロ!打者27人を完全に封じ込めました。しかし、まだ、0対0です」
(9回ウラ、中日が得点すれば大野の完全試合が成立する)
湯浅アナ:
「異様な雰囲気に包まれていますバンテリンドーム ナゴヤ」
山崎氏:
「(大野は)パーフェクトしちゃいましたから。これでドラゴンズが(点を)取ってくれれば成立なので。
何とか大野にパーフェクトさせてやりたいというのは、チームメイトみんなの思いだと思います」
◾️夢を砕いた
(9回ウラ、青柳は得点を許さず、試合は延長戦へ。
大野はパーフェクトを継続しながら延長10回表のマウンドに立った)
山崎氏:
「さすがに大野も、このイニングが一杯かなという気がします」
湯浅アナ:
「これまで、延長戦で完全試合達成という例は、長い長いプロ野球の歴史でも、ありません」
(大野は先頭の近本を打ち取り、2番中野に141キロのストレート)
湯浅アナ:まだまだストレート、力ありますか?」
山崎氏:
「いやっ、だいぶん、スピード落ちてきたと思います。ストレートが高く浮いてる」
(中野は大きなライトフライ)
湯浅アナ:
「打者29人、依然パーフェクト!」
(続くバッターは3番佐藤輝明。大野の115球目を叩くと、打球は右中間を破った)
湯浅アナ:
「大野の夢を砕いたのは、やはり佐藤輝明! パーフェクトならず!」
山崎氏:
「やっぱり真っ直ぐ、高いの、打ち返しましたよね……まあ、でも(大野は)ここまでよく頑張りました」
◾️淡々とベンチへ
(大野は後続を断ち、その裏、青柳が一死満塁のピンチを背負った)
湯浅アナ:
「打席は石川昂也…(打球は)センターに…抜けました。ドラゴンズ、サヨナラ勝ち!
……青柳、無念の、きょうは敗戦。生涯、忘れられない敗戦!」
山崎氏:
「(青柳が)淡々とベンチに帰りましたよね。彼は納得してマウンド降りたと思う。(内心は)悔しいですけど」
湯浅アナ:
「大野と青柳、ちょっと大げさな言い方をすると、球史に残る投げ合いと申し上げていいかもしれませんね」
山崎氏:
「こんな投手戦、なかなか見られない。それを僕は解説させてもらえて、幸せでした」
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次回のサンテレビボックス席は7日の中日×阪神戦を試合終了まで伝える。
(浮田信明)