養父市は面積の84%にあたる3万5000ヘクタールが山林で、林業が盛んです。
今回ご紹介するのは、豊かな自然に囲まれた環境で作るチョコレート。訪れたのは、主にオンラインでチョコレートを販売する「ルフルーヴ」のショコラティエ・上垣河大さんです。
(上垣さん)
ひと口サイズのボンボンショコラを中心に作っているが、ひと口に世界が凝縮されているのが魅力。
繊細さが求められるチョコレート作り。去年夏、上垣さんはこれまでの常識を打ち破る新作のチョコレートを発表して話題となりました。
そのチョコレートに使われた食材は、いまや幻といわれる養父市特産の大豆「八鹿浅黄」です。
(上垣さん)
豆に風味があるってことで使おうと思った。未知の世界だったので作り始めてすごく苦労した。
焼いた大豆は粉末状に加工したあと、カカオオイルに練りこまれます。これをさらに電動の臼で挽きつぶし、きめ細かなペースト状にします。
(上垣さん)
これで2日間。(2日間も回し続ける!?)粗いんです。
これを冷ましたものがチョコレートの素となります。さらに適性の温度で溶かして固めて、口当たりや滑らかさを整えます。高い技術が要求される作業です。
(上垣さん)
お菓子は5℃ぐらいの温度のずれがあっても出来上がりに違いはないけど、チョコは1℃違うとだいぶ変わる。
失敗することもありますよ。イメージと全然違うのができたとか。
これを型に流し込めば…養父市の大豆を使ったチョコレートの完成です。
ダイレクトに大豆の香りと風味が伝わる板チョコタイプと、ビターチョコでコーティングし、バニラやオレンジの風味など6種類の味が楽しめる、2つの商品に仕上げています。
(上垣さん)
大変だったのは大豆の風味とカカオの香り。チョコレートの香りのバランス。
はじめはきな粉みたいな味になって、僕のイメージしていたものと違った。(完成まで)去年の春から夏までかかりました。
この養父市で頑張って、在来種の大豆をちゃんと残していく、後世に残していくことをやっている人がいるので、そういう思いものせてチョコを作りたい。