3月18日から始まる選抜高校野球大会。兵庫からは東洋大姫路高校が出場します。14年ぶりの大舞台へ。練習に励む選手たちを追いました。

第94回選抜高校野球大会。兵庫県で唯一出場を決めたのは、1963年創部、姫路の名門・東洋大姫路高校です。2008年以来14年ぶりのセンバツ出場を勝ち取りました。

選出理由は東洋大姫路伝統の「堅守」。去年秋の近畿大会初戦は夏の甲子園で準優勝の智弁学園（奈良）に完封勝利。見事ベスト8入りを果たしました。

チームを引っ張るのはエースの森健人投手。身長は169センチと決して大きくはないものの、正確なコントロールと、厳しいコースに攻め込む度胸を持ち味にしています。

チームを指揮する藤田明彦監督もマウンドでの森投手の姿勢を評価します。

（藤田監督）
高校生には珍しい、右バッターも左バッターもインコースへどんどん攻め込めるというのが一番の彼の特徴。
ピンチの場面の時に一番良いボールを出せるピッチャーなので、それが彼の一番良いところ。

森投手の武器は、精度の高いストレートと相手を翻弄する変化球です。

（森投手）
去年からピッチングではカーブで緩急を使えたらということでカーブを覚えたんですけど。
カーブを見せることによって真っすぐも速く感じると思いますし、理想はそのカーブで三振を取れたりできると真っすぐも活きてくるので、それが（カーブを覚えた）一番の意味だと思います。

森投手を絶妙な配球で支えるのがキャッチャーの村崎心選手。バッテリーで試行錯誤しながら、共に成長してきました。

（村崎選手）
とてもコントロールがいいピッチャーで、コーナーをうまくついて、力の強いストレートでインコースで詰まらせたり、変化球でかわしたり色々できるピッチャーなのでそういうところを考えています。
（森投手）はマウンドではあまり表情が変わらないポーカーフェイスなので、考えていることがわかりづらいというか難しいんですけど、なるべく近くにいていつも森を見ているようにしています。

（森投手）
普段の生活でも結構一緒にいたりして、コミュニケーションは一番とれているんで、一番投げやすいと思ってます。

そんなバッテリーを盛り立てるのは鍛え上げられた鉄壁の守備。普段の練習から長時間のノックを取り入れ、どんな打球にも対応できるよう取り組んできました。

守備でリズムを作る東洋大姫路にとって、カギを握るのが二遊間です。セカンドを守るのはキャプテンの岡部虎尉選手。

（岡部選手）
バッテリーを中心に硬い守備で守り抜く野球をやってきたので、そこが特徴です。
派手なプレーとかではなく、しっかり正確なプレーができたらリズムにつながると思います。

堅い守りを武器にセンバツ出場を勝ち取った東洋大姫路ですが、課題となるのは打撃力。

課題解決のため、去年の冬から取り入れられたのが、およそ3キロの砂が入ったボールを壁に打ち付けるトレーニング。
スイングスピードの向上やバットに力を乗せられるようにするのが狙いです。

（岡部選手）
ピッチャーを少しでも楽に投げさせたい。
この秋はピッチャーに任せっきりになってしまったので、もうちょっと打撃面で助けられたらいいなと思います。

去年の秋からひと回り大きくなって迎える14年ぶりのセンバツの舞台。長年チームを率いてきた指揮官にとって、このセンバツが最後の甲子園となります。

（藤田監督）
わたしそのもののセンバツは18年ぶり。最後の東洋大姫路のユニフォームを着ての公式戦になりますので、特別な想いを持って、それこそ思い切って、できたらニコッと笑ってしたいなってそう思ってます。

伝統のユニホームを着て、監督と挑む夢の舞台。最高の花道へ選手たちの思いはただひとつです。

（森投手）
センバツで優勝を目指して、いい結果で終えていただきたいのでこれからが勝負だと思います。
（岡部選手）
一日でも長く甲子園球場で指揮をとっていただきたいと思ってます。

（藤田監督）
（最後はどんな表情で？）どうなるんでしょうか…。深々とお辞儀をして出ていくんだろうと思います。

4日、組み合わせ抽選会が行われ、3月19日に開会します。

また、東洋大姫路高校では3日、選抜旗の授与式と選手を激励する壮行会が開かれました。

3日、東洋大姫路高校で3月18日に開幕する第94回選抜高校野球大会へ向けて、選抜旗が手渡されました。

その後、行われた壮行会ではキャプテンの岡部虎尉選手や3月いっぱいでの退任が決まっている藤田明彦監督が大会への抱負を述べました。東洋大姫路高校は2008年以来14年ぶりのセンバツで過去最高に並ぶベスト4以上の成績を目指します。

第94回選抜高校野球大会は、3月4日に組み合わせ抽選が行われ、3月18日に甲子園球場で開幕します。