明石浦漁協の海の栄養を回復する取り組みが農林水産大臣賞を受賞

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明石市の漁協が海の栄養を回復するために続けている「海底耕耘」の取り組みをまとめた動画がこのほど、国が主催するコンテストの最優秀賞を受賞しました。

動画を制作したのは明石浦漁業協同組合で、国が主催する「持続可能な食と農林水産業の取り組み」をテーマにしたコンテストで92の応募作品の中から最優秀賞に選ばれ、2月17日に漁協の組合長が兵庫県の斎藤知事に報告しました。

「海底耕耘」とは船でロープに結んだ鉄製の器具を引っ張り海底の堆積物をかき混ぜるもので、堆積物に含まれている窒素やリンなどの栄養塩が海に放出されることから生き物が生息しやすくなります。

兵庫県内では1960年から70年代の高度経済成長期に工場や家庭の排水が海に流れ込み、水質の汚染が深刻化。 プランクトンが大量に発生して赤潮などの被害を引き起こし、瀬戸内海は一時「瀕死の海」と呼ばれました。

その後、環境保全対策が進み、海中の窒素やりんの量が減った一方で90年代後半ごろからは漁獲量が減少。近年はイカナゴやタコなどの深刻な不漁が続いていて、県内の漁協は栄養豊かな海を取り戻すために「海底耕耘」の取り組みを進めています。

ことし11月には明石市で全国豊かな海づくり大会が開催される予定で、明石浦漁協の組合長は「海の環境のための取り組みを様々な人と協力して進めていきたい」としています。

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