【特集】ドイツから香美町に移住した音楽家

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ドイツから兵庫県香美町に移住した音楽家がいます。自然豊かな香美町生活は音楽活動に新たな刺激を与えたと言います。次の境地に挑む音楽家を但馬の川越カメラマンが取材しました。

川越カメラマンが向かったのは県内有数の豪雪地帯、標高およそ500メートルの香美町村岡の柤岡地区。紹介したい音楽家は、この自然豊かな土地にスタジオを開き活動しています。

藤田正嘉さん。ビブラフォンとマリンバの奏者です。ビブラフォンは共鳴管に電気モーターがあり、音の余韻が調整できる楽器です。

(ビブラフォン・マリンバ奏者 藤田正嘉さん)
二十歳ぐらいまでバンドでドラムをやっていたんですけど、そのうち自分の音楽を作りたいってなって。
自分の音楽作りたいけどドラムだけではなんともしがたかったので(楽器を)探していたんですけど、ビブラフォンの音が当時好きでこれはすごいなと思って。そこから楽器を変えてビブラフォンを弾くようになった。

藤田さんが本格的にビブラフォンを始めたのは23歳の時。その後28歳の時に夫婦でドイツに移住し、ビブラフォンでの作曲を始めます。

長男と双子の息子が誕生し、順風満帆なドイツでの音楽生活。ドイツで作曲したアルバム『Bird Ambience』はアメリカのニューヨーク・タイムズが「幾つにも重なった音の層がメロディック」と高く評価しました。

しかし、いつしか物足りなさを感じるようになります。

(藤田さん)
もちろん楽しかったですし、音楽にとっては良い街なのでやりすい部分はあったんですけど。
自分の作っているものは自然に根ざしたものだけど、実際自分が住んでいるところ(ドイツ・ベルリン)は全然そんなところでもないし。

そんな時、妻のサクラさんが香美町の地域おこし協力隊に応募し、採用されます。

移住から13年。関東出身の藤田さん夫妻はおととし1月に帰国し、サクラさんは香美町の魅力を伝える仕事にあたり、夫の藤田さんは自然に包まれながら音楽活動を続けています。香美町の自然は藤田さんのイメージにぴったりでした。

『Bird Ambience』に収録された曲『Thunder』のミュージックビデオでは、映像に香美町の自然が収録されています。

ただ藤田さんにも想定外のことがありました。この雪です。

(藤田さん)
調べても豪雪地帯だとでてたので雪はすごいと聞いていたんですけど、実際体験するまで分からないですよね。

現在、自宅は海が近い香住にありますが、スタジオの近くに引っ越す予定です。しかし、この雪で改装工事も引っ越しもお預け状態となっています。

妻のサクラさんは香美町の移住をどう思っているのでしょうか?

(妻 サクラさん)
住んでみたら食べ物もすごくおいしいし、景色が毎日山も海もすごくきれいでびっくりしました。みんなもう慣れてるかもしれないけど毎日きれいだなとまだ思っています。
この景色の素晴らしさと音楽を合わせて発信していってもらえたらこの町もまた人が来てくれるかなと。移住の仕事しているのでそういう気持ちでいます。

(長男 宙久くん)
今も来ていいなと思うところが結構ある。海はやっぱりいいな、夕暮れのときに。

藤田さんは自然に囲まれてどんな音楽を作るのでしょうか?

(藤田さん)
自分自身この環境にいて音を作り始めてどういう風に変わっていくのか興味あるとこですね。

この但馬の自然の中でどんな作品を作るのかこれからも注目したいと思います。

 

 

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