■阪神6-4巨人/2004年5月22日 阪神甲子園球場
虎党に阪神タイガースの名試合を5回シリーズでお届けする『虎辞書(とらじしょ)なる!!』。
第4回放送は最強リリーフトリオ“JFK”の一角、左腕ジェフ・ウイリアムス(現阪神在米スカウト、阪神在籍2003~2009年)が活躍した試合中継を振り返った。
2004年は岡田彰布監督の1年目。この試合は、連覇を目指す首位阪神が清原・小久保・ローズ・高橋・阿部ら重量打線の巨人を本拠地甲子園で迎え撃った。
■いきなりビハインド
阪神先発はここまで6勝の好調福原(現阪神コーチ)。しかし2回、先頭の4番高橋(前巨人監督)がヒット。
5番清原には死球を与え、6番小久保(前侍ジャパン監督)に11号3ランをレフトスタンドに放り込まれた。
阪神もその裏、5番桧山が巨人先発・上原から5号ソロを放ち追撃の姿勢を見せた。
■金本が勝ち越し打
2-4と劣勢の阪神は7回、2番手・左腕林に対し、関本・沖原の連打で一死1塁2塁とし、“代打の神様”八木のタイムリーでまず1点。更に2番藤本(現阪神コーチ)のタイムリーで同点に追い付き林をKOした。
代わったシコースキーにも阪神は襲い掛かり、3番今岡(現ロッテコーチ)がヒットでつなぎ二死満塁。4番金本(前阪神監督)はセンターに弾き返し6-4と阪神が勝ち越した。
一気の逆転で勝ち投手の権利を得た福原がベンチで笑顔を見せた。
■ジェフ、見事な火消し
8回、阪神2番手の安藤(現阪神コーチ)が二死後ヒットを許した所で岡田監督はジェフ・ウイリアムスを投入。
代打江藤を外角の速球で空振り三振に討ち取った。中継の解説を務めた中田良弘氏(阪神在籍1981~1994年)は、「真っ直ぐですね。いい所に決まりましたね」と絶賛した。
9回も続投。3番ローズを空振り三振、4番高橋をレフトフライに仕留め、大観衆の「あと1球」コールを背に5番ペタジーニも空振り三振に切って取った。
お立ち台に上がったジェフは「アリガト」とまず一言。「チームが逆転していい雰囲気を壊さないよう一生懸命に投げました」と振り返り、最後は「ガンバリマス」と右手を上げて声援に応えた。
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ジェフ・ウイリアムスはこの年、オーストラリア代表としてアテネ五輪にも出場。準決勝で日本代表を抑え込んだ。阪神在籍7年間で141ホールドを記録。背番号「54」はランディ・メッセンジャーに引き継がれた。2004年の阪神は首位をキープできず4位に終わった。
【虎辞書なる!!の放送予定】
5月22日(金)20:00~
「輝くいぶし銀 和田豊」/1994年
(浮田信明)