新型コロナウイルスの感染拡大で自粛ムードが続く中、神戸の４つのライブハウスがタッグを組み今だからできることは何かと模索する姿を取材しました。

（安倍首相）「特別措置法代３２条に基づき緊急時大宣言を発出することといたします」

（兵庫県井戸知事）「生活の維持に必要な場合を除きみだりに居宅等から外出しないことを要請します」

神戸の繁華街から消えたにぎわい。休業に追い込まれる店が相次ぎ中でも感染の恐れがあると名指しされたライブハウスは苦境に陥っています。

「ライブハウスは名指しで言われているのであまりにもきつい。きっぱりと閉店した方がいいのかな？」

「ライブハウスなしではミュージシャンは音楽できない」

「こんなに世の中でライブハウスが悪いみたいになったからそれを逆手にとってじゃあ判断してくださいよ」

神戸市中央区の神戸バリット。２００４年に誕生し、一流アーティストだけではなく新人ミュージシャンの活躍の場を支えてきました。

（神戸バリット南出さん）「大型の空気清浄機を全部で６個置いていて、営業できればなという形で考えていたけれど…」

２００４年に誕生し、一流アーティストだけではなく新人ミュージシャンの活躍の場を支えてきました。

（南出さん）「３月に入って公演のキャンセルがめっちゃくちゃあってこんなに音の鳴らないライブハウスが寂しいものというのは想像できなかった。」

最大収容人数は３５０人。３月の家賃は約２００万円にのぼります。しかし、観客やスタッフなどの安全を考え、今月、営業の自粛を決めました。

（南出さん）「家賃も割と高い方なので。それすら払えるのかも危ういですね。（感染の）可能性があるならやめた方が良いでしょうし。むしろここで出ちゃうと日本全国の他のライブハウスに迷惑かけちゃうことになるので」

現状を打破しようと南出さんが発案したのが「ライブハウスジャッジメントｉｎＫＯＢＥ」。

（南出さん）「公式のTwitterで第３弾アーティスト発表が…１２時なのでアップします」

神戸の４つのライブハウスがタッグを組み無観客ライブをインターネットを介し配信する取り組みです。

（南出さん）「アーティストに仕事ないよな、裏方さんもフリーの人たち仕事ないって言っているわ。それなら俺らなんとかしないといけないんちゃう？というのがもともとの始まり。箱代うんぬんで儲けで始めるんじゃなくてコロナショックをチャンスにして、だったら配信思い切ってしない？と」

（南出さん）「仕事ある？」
（スタッフ）「ない。ないからここに来てるねん」

会場の１つ神戸の老舗ライブハウスチキンジョージ。収録では、もちろん観客の姿はなくスタッフは最小限。アーティストも演奏が終われば退出します。

（参加したミュージシャン）
「すごくいいことだと思う。やっぱり色んな形で音楽が動いていないとダメですもんね。音楽だけじゃなくて映像撮る人も音声もそうだろうし、なんかやってないとつまんないですものね」

（南出さん）
「普段ライバル同士と言えばライバル同士なんだけど、垣根を越えてやろうぜということは僕らにはできると思う。一度見てみようかなと見てもらってエンターテイメントの原点がここにあること知ってもらえたらうれしい」

しかし、昨夜（13日午後）兵庫県は利用自粛に加え、民間施設への休業要請を決めました。

（知事）「県民の命を守るため　施設の利用停止とか催しの開催停止にご理解をいただきますようお願いします」

これに伴い、当初予定していた各会場からの生配信は断念。すでに収録が済んでいる映像のみ配信することになりました。

ライブハウスに関わるすべての人たちが帰ってくるその時まで灯を途絶えさせてはいけない。
南出さんは配信に先立ちラジオ番組に出演し思いを語っていました。

（ラジオ番組出演集の南出さん）
「音楽だけじゃなくて　アーティストのメッセージは強力だと思う。それを僕らは配信、インターネットを通じて画面を通じて、サウンドを通じて最大限のお手伝いをしなければならない。収録して思ったけどインターネットごしに見ていいなと思ってくれると思う。ライブハウスを知らない人がライブハウスとかバントを知らない人に見てほしい。めっちゃかっこいいぞくぞくすると思うんですよ。またの機会にライブハウスに来てもらったらうれしい」

「ライブハウスジャッジメントＩｎＫＯＢＥ」は延期となりましたが、14日午後６時から収録済みの映像を配信予定で、チケットを購入した人は、次回実施の際、無料で視聴できるということです。
詳しい情報についてはライブハウスジャッジメントｉｎＫＯＢＥのツイッターアカウントをご覧ください。