点 と 点 は 線
報道部室内
 停電のため、社内は非常用電源に頼っていた。

 ダイヤルイン方式の多機能電話はすべて使用不可。

 特別番組開始直後に

 「生き」ていた電話はわずか3台だった。

 しかもかかりにくい。

藤村徹アナウンサー
 ようやく警察や行政機関につながっても

 相手先が混乱している。

 肝心な被災状況が把握できない。

 「電話リポートしかない」

 過去の取材等で知り合った人たちに電話をかけ、

手書きのテロップ
 周辺をリポートしてもらった。

 機器の一部が作動せず、

 当初のテロップは画用紙に手書きだった。

 次に、何とか出社してきたスタッフをスタジオに入れ、

技術スタッフの状況説明
 途中の街の様子をリポートさせた。

 「通った道路や地域名は、通称でもいいから」

 できるだけ詳しくを心がける。

 これまで画面に出たこともない技術部員や営業部員が

 次々とカメラの前に立った。

技術スタッフの状況説明
 「点と点を結べば線になる」

 確信はなかったが、

 この言葉を信じて放送を続けた。

 


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