番組審議会

第515回 放送番組審議会

5月開催分
参加委員 8人

議事1  番組視聴・合評

「伝え つなぐ あした~震災教育の現在地~」
4月16日(日) 20:00~20:30
4月30日(日) 12:30~13:00(再放送)

審議番組概要

阪神淡路大震災から28年。震災を経験していない子どもたちが増えている。それでも、あの日のことを学び続け、追悼式を続ける小学校がある。芦屋市立精道小学校だ。精道小学校は28年前の1月17日、通っていた児童8人とその保護者6人と、通うはずだった幼い子どもたち15人を亡くした。亡くなった児童たちの面影を伝え、決して忘れないように震災を学ぶ学習を継続している。
学習の要となるのは小学校生活の集大成として6年生が集中的に震災を学び、一つ下の5年生に伝える「語り継ぎ」だ。今回、6年生の学習を初めて主導することになった先生は、震災当時わずか1歳で覚えていることは何もない。番組では阪神淡路大震災を知らない教諭と児童の学習に密着。彼らが導き出した「あの日」を学ぶ理由とは。

委員の主な意見(要旨)
  • 「悪い点が見つからないほど、いい内容だったと思う」
  • 「『1.17が取材のゴールではない』という視点が素晴らしく、納得させられた」
  • 「時が経つにつれて震災の番組作りが難しくなっていく中、これだけの作品を作るところは被災地のメディアとして頼もしい」
  • 「先生の素晴らしいキャラクターが番組の核心的部分だと思う。よくあの先生を見つけたなと思った」
  • 「子どもの心がどういう動きをして、言葉を紡いでいったのか。簡単なことではないと思うので、そういう葛藤のような部分も見たかった。」
  • 「この先生は、記憶のない震災というものを改めて自分で捉え直して物語にしているのだと思う。生徒たちも、それと同じく自分たちの視点で震災を捉えていっていたはずなので、その部分が非常に重要だったのではないか。」
  • 「こういった震災関連の特番をいろんなテーマで毎月やってほしい」
  • 「これだけ震災教育に力を入れても、やはり体験していないことへの意識は難しいので、語り継ぐにはさらなる工夫と努力が必要なのだろうと思う」
  • 「『命は大切』という答えのわかりきったテーマを教育するのは非常に難しいだけに、先生の努力には感心させられた」
  • 「震災経験のない先生、子ども、そして震災経験のある体験者と複数の視点で描かれていて、一つに凝り固まっていないという意味でも見やすかった」
  • 「小学校6年生の『震災経験の話をするのは辛くないのですか?』という質問で、相手の気持ちを想像できる感受性豊かな子もいるのだなと、震災教育の可能性を垣間見た。」
  • 「震災から28年も経つと、震災教育の中身は、具合的な震災時の対応や教訓というよりも、『命は大事』という根幹しか残らないのだなと思った。」
  • 「教室での日常的な雰囲気や、先生の自宅でのシーンなど、時間をかけて丁寧に取材したというのが伝わった。」
  • 「卒業式での『一生かけて幸せになってください』という、先生から生徒へのメッセージに思わず涙した」

議事2 4月度視聴者リポート報告

4月分の視聴者からの問い合わせ、意見、要望について報告した。