番組審議会

第503回 放送番組審議会

3月開催分
参加委員 9人
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、第503回放送番組審議会は各委員に資料を送付し、意見をメール等で募る在宅形式で行った。

議事1  番組視聴・合評

「阪神淡路大震災27年報道特別番組 バトン1.17~震災27年のメッセージ~」
(2022年1月17日(月)17:00~19:30放送)

審議番組概要

1995年1月17日5時46分に発生した阪神淡路大震災では、6434人の尊い命が奪われた。また、多くの人が住む家や働く場所を失った。サンテレビも本社が被災し、社員も被災者となる中、街に出て映像の記録を残したほか、放送を継続し生活に不可欠な情報を届け続けた。1月17日は多くの人の命が奪われた命日でもある。
今年は震災を経験していない若い世代へ教訓を伝えることを主題に、子供たちに日々指導している教師という立場にある3人を取材し、震災を伝えることの難しさと大切さを描いた。また、より多くの人たちに関心を抱いてもらおうと、著名人のインタビューを収録し、震災を後世に伝えていかなくてはならないというメッセージを伝えた。今回初めてのプロジェクトとして、県内の教育委員会を通じて、子どもたちに番組の視聴を呼び掛けてもらった。また、放送終了後1年間の取り組みとして、震災学習に役立ててもらおうと、サンテレビへの申請なしで、各学校で番組を視聴してもらうことを可能にした。DVDの貸し出しも実施している。

委員の主な意見(要旨)
  • 「経験の伝承という事の前に、まず被災者たちの悲しみや嘆きが存在するということを改めて感じた。」
  • 「直接の経験のない2代目としての語り部には躊躇いの意識がある。しかし、知識を得たりして自分なりに理解が深まっていくことで、本当の語り部となっていくこと様子を見ることができた。」
  • 「涙声でインタビューに答える児童たちから、先生の思いが伝わっていることを実感した。」
  • 「追悼行事の様子のシーンが長く思えた。」
  • 「2代目の語り部たちの、伝えないといけない思いとその理由付けの難しさを感じた。」
  • 「地元局としての矜持や使命感があって、このような番組はアイデンティティだなと感じる。」
  • 「コロナ禍、アフターコロナを見据えての震災の捉え方、伝え方を考えさせられた。」
  • 「番組内での『過去の被災体験を未来の防災・減災に活かすこと』という発言が、まさに震災を伝える意義だと思う。」
  • 「防災・減災としての伝達と比べ、悲しみや苦しみの伝承は難しく、風化の危機にある。東京などでは忘れ去られているという事実も取材すればよいのでは。」
  • 「年数が経つにつれ、何を伝えるかは難しくなってくるが、地元局として手を変え品を変えながら制作してほしい。」
  • 「語り部たちの活動が、どう影響を与えたのかも知りたかった。」
  • 「半数以上が震災を知らない神戸市民でも、自分事として防災活動を行えるようなきっかけ作りを、メディアにもしてほしい。」
  • 「27年が経っても、このような番組を続けることは非常に意義がある。また、サンテレビ防災啓発プロジェクトも、来年以降続けてほしい。」
  • 「どういう視点で震災番組を制作するかというのは発信者側の課題であり、事実や記録だけを中心にするのではなく、次世代へのつなぎをテーマに描かれていたことが素晴らしかった。」
  • 「どうしても「震災は過去のもの」と捉えてしまいがちなので、そこを改善できるような番組作りを心掛けてほしい。」

議事2  2月度視聴者リポート

2月分の視聴者からの問い合わせ、意見、要望について報告した。