番組審議会

第480回 放送番組審議会

開催日  2019年9月10日(火)
出席委員 6人

議事1  番組視聴・合評

報道特別番組 「人間としての一歩 ハンセン病と生きて」
(5月26日(日)20:00~20:55放送分)

審議番組概要

岡山県瀬戸内市には、全国で最初に開設された国立ハンセン病療養所「長島愛生園」がある。かつてハンセン病と診断された患者たちは、故郷を離れこの島に来ることを余儀なくされた。兵庫県明石市から長島に移った石田雅男さん(82)もその一人。番組ではハンセン病をめぐる歴史を振り返ると共に、元患者である石田さんと妻の懐子さん(69)の一年に密着。療養所で暮らす人の人生を通して偏見と差別の愚かさ、そして人間の強さとは何かを伝える。

委員の主な意見(要旨)
  • 「全体を通して落ち着いた構成で、掘り下げも深くて見ごたえがあった」
  • 「強い言葉を使用せず、日常を淡々と見せているが、その時時の心情がとても伝わってきてよかった」
  • 「『橋』がキーワードとなり、長島愛生園の方々と島の外側の方々のつながりを感じることができた」
  • 「長島愛生園で暮らしている方の家族などゆかりのある方々が、この数十年どのような気持ちで過ごされていたのかという点が入っていてもよかったのではないだろうか」
  • 「最後の『捨てた人生ではない』という、石田さんの言葉がしみじみと伝わってきた」
  • 「ハンセン病に対して理解の深くない視聴者が、この番組だけで偏見をなくすことはできないと思う」
  • 「石田さんの姿には非常に励まされる」
  • 「この番組を見終わった後に、視聴者がハンセン病に対してなにかアクションを起こすきっかけになるような仕掛けがあればよりよかった」
  • 「全体を通して淡々と日常を追っているが、オープニングのナレーションだけは情感たっぷりに読んでいたので、そこも淡々と読んだ方がよかった」
  • 「啓蒙的なメッセージが一切なく、視聴者自らが考えるように、まとめられていたのがよかった」
  • 「石田さんの人間力、生き様を客観的にとらえることができている」
  • 「なぜ隔離政策をそこまで徹底しなければならなかったのかなど、そういった視点の話も組み込まれていればより深みがでたのではないだろうか」
  • 「今まではハンセン病に対して『怖い』というイメージしかもっていなかったが、この番組を見ていろいろと考えさせられた」
  • 「現在も島で生活されている方はたくさんいるので、病気の話だけではなく、多様な人生を聞き取っていくことも大切ではないだろうか」

議事2  7、8月度視聴者リポート

7、8月分の視聴者からの問い合わせ、意見、要望について報告した。