ヒーローになった熊谷!延長戦制して最下位脱出!

〈6/11 オリックス 2-3 阪神(京セラドーム)〉

勝:岩貞
S:岩崎
敗:本田

延長11回、4時間19分の熱戦だった。
両チームともミスがあり、失点に繋がったり得点できなかったりと、マイナスの部分もあったのだが、今日の試合は、それらのマイナスの部分を補う好判断・好プレーが上回った。
回を重ねるにつれ、手に汗を握る展開。
日本球界を代表する山本由伸を相手に、手も足も出ない展開を予想していたのが裏切られた。いや、裏切ってくれて全然構わないのだけど。

攻略のカギは、1番島田と2番中野のバッティングにありそうだった。2打席連続の2者連続ヒット。
2人が150キロ後半のストレートを打っていたことで、オリックスバッテリーの配球も変わったし、何より山本由伸に迷いを生じさせた。

時間はかかったが、8回。(かかりすぎ)
二死走者なしから、3番近本が内野安打をもぎとると、ここまで3打席ヒットのなかった佐藤輝明が外一辺倒の配球からわずかに内に入ったスライダーをライトへ弾き返した。
打球速度が速かったので前で落とせば一走近本の本塁生還はなかったが、ノーバンでの捕球を試みたライト佐野皓大が後逸。佐野も目一杯のプレーだった。
山本由伸の前に何もできなかったはずの(少なくとも私はそう思っていた)タイガースが、4番の一打で1点を返した。
そして、大山。
結果5タコと奮わなかったものの、少しでも間違ったら仕留められるオーラがすごい。
最大限の警戒をして続けて投げたフォーク3球目がパスボールとなり、同点となった。
この得点は大山だからこそ生まれたものだった。

こうして延長戦に突入するわけだが、先発伊藤将司が5回途中まで。
継投もビハインドのそれだったが、加治屋、渡邉、石井、アルカンタラ、岩貞、岩崎の奮闘があった。
彼らが踏みとどまってくれたから今日の試合が熱くなったのだ。
イニングまたぎの岩貞は、いい顔してたなぁ。

同点のまま11回表。
先頭の佐藤輝明がヒットで出塁して、代走に熊谷。
あかん、熊谷って書いただけで目頭熱いぞ。
ボール2からの3球目に熊谷がスタートを切った。
バッテリーも最大級の警戒をしているのだが、伏見の送球が少し逸れたのもその警戒からくる焦り。
ボールは熊谷のヘルメットに当たって、コースが変わった。
試合後のヒーインで熊谷は、当たったボールがどこへ行ったかわからなかったとコメントしたが、リプレイを見てると、熊谷はすぐさましっかり打球の行方を確認できていたように思う。興奮のあまり、藤本コーチの回す腕以外記憶から飛んじゃったのじゃないだろうか。
そう、サードベースの後ろで腕を回す藤本コーチもまたファインプレーだった。
熊谷への信頼と、それにまた応えるように一段と速度の上がった熊谷の走塁は、、、(泣く)
ボールが転がっていったセンターを守るのは福田周平。猛チャージしてきたが、藤本コーチの判断は福田の肩がそれほど強くないと踏んでいたこともあったのだろうけど、めちゃめちゃいいボールが返ってきた。(笑)

勝ち越しのホームベースを手ではらった熊谷は、さっきボールが当たったヘルメットをバシバシ叩かれ歓迎を受ける。

熊谷はそれだけでは終わらなかった。
サードの守備に入った11回裏。
二死1,3塁での宗の打球は詰まった遅いゴロ。
一歩目が少しでも遅れていたらセーフ、少し握り直してもセーフ、緊迫の場面だが熊谷のチャージと送球で欲しかったアウトをとった。ゲームセット!
梅野が熊谷を指差しして讃える。
梅野もヘルメットを飛ばしながらファウルフライをとるなど好プレーでチームを鼓舞した。

ヒーローとなった熊谷。インタビューは初めてだったか。
いつの間にか自分の居場所を見つけて一軍定着した彼だが、誰より準備と研究をしてゲームに臨む姿勢があったからだし、その努力が報われて嬉しい。

3年前の安芸キャンプ。狭い通路にある階段で身体をかがめてグローブ磨いてた姿が懐かしい。

ナイスゲーム!
最下位脱出!

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